忌部三女神、鎌倉初期の棟札、10月例祭は勇壮な屋台と特殊な神事
[住所]徳島県吉野川市山川町八幡
[電話]0883-42-5511

川田八幡神社(かわたはちまんじんじゃ)は、徳島県吉野川市山川町八幡にある神社。近代社格では郷社。国道192号線の伊予街道を、県道249号線あたりで南下する。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。『早雲家奉祀東西両川田村神社旧記』には下記のようにあり、忌部氏が忌部三女神(宗像三女神)を勧請したことによる、とも。
当社之草創ハ、忌部三女神ヲ奉勧請奉仕、其後応神天皇井御父母之神ヲ合セ祭、又七十五神ヲ添祭候ニ付、右之通リ祭来居申候…
ともあれ、古くから忌部氏とのかかわりが強く、氏の守護神として信仰された。平安時代前期、第52代嵯峨天皇(在位:809年-823年)が祈願所としたという。

鎌倉時代初期の文治5年(1189年)、源頼朝の命で再興された。また、建久8年(1197年)に本殿上棟の棟札をはじめ、多くの棟札が現存する。

近代になり、おそらくは近隣の多くの神社を合祀した。その中には、明治20年(1887年)に合祀した高越神社も含まれる。ただし、高越神社は明治35年(1902年)復社。

本殿は神明造であるが、本殿・幣殿・拝殿・向拝の配置はトンボ型として珍しく、県内では稀なもの。

御祭神は、誉田別命足仲彦天皇命気長足姫尊。脇宮として、神明社(天照皇大神)、春日神社(天児屋根命)、愛宕神社(祠遇突智命)を祀る。

例祭は10月22日。氏子たちが屋台をかついで200メートルあまりの参道を練り歩き、50段の階段を勇壮に一気に駆け上がり境内へと運ぶ。

屋台は現在、古組・奥川田・町・北島の4期が出る。以前までは北島の氏子による獅子舞も奉納されたが、今は絶えている。

また、県無形民俗文化財に指定されている「神代御宝踊り」も奉納される。なお、当社例祭には神社本庁統理から献帛使が参向し、徳島県神社庁長の幣帛供進がある。

当社例祭では、通常の神社祭式に則って神前に献ぜられる神饌とは別に、特殊神饌として「七十五膳」の神饌、一夜造りの甘酒、「御花」が造られ、神前に供えられる。

全国で40例ほどしかない特殊な「七十五膳神事」で、七十五膳は「豊富な品数を盛り沢山にした供膳」と同義だという。

他に、旧正月1・2・3日が神迎祭、旧正月9日がおまと神事、旧暦6月24・25日には夏祭りがある。

おまと神事は、奥川田地区から選ばれた射手10人が、上下を着用して、1人百筋の矢を射る神事。

【ご利益】
厄災除け、安産、地域安全、家内安全
川田八幡神社 徳島県吉野川市山川町八幡
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