もとは船充稲荷、長者丸稲荷とも、一時期は霧島神社、特徴的な狐像
[住所]東京都港区南青山3-4-11
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船光稲荷神社(ふなみついなりじんじゃ)は、東京都港区南青山にある神社。東京メトロ外苑前駅の南、表参道駅の北西。御朱印の有無は不明。

創建は、「第44代元明天皇の年代に造営され」た、とも。ただし、元明天皇は第43代天皇。在位は707年-715年で、奈良時代初期になる。

また一説に、江戸時代前期の寛文2年(1662年)3月22日、この付近に居住した渋谷長者の勧請で、代々一族の崇敬篤く、昔は霧島神社と称したという。

かつては長者丸という地名で、この辺りまで入江だったらしく、地名由来の長者丸という千石船の船着場があったともいう。

そのため、もとは長者丸稲荷とも。後に、船充稲荷と呼ばれたらしい。堂内の宝暦3年(1752年)の紀年がある遍額には「正一位船充大明神」とある。

本殿の奥に安置された長さ1尺2寸ほどの木箱には、表面に「正一位稲荷大明神」、裏面に「寛延二己巳年三月廿二日」とある。寛延2年は1749年。

その木箱の裏面にはさらに、「神納 佐藤金右衛門於京都請之 間宮氏正常今日納之 長者ヶ丸氏子武運長久所」とある。

明治の『東京市赤坂區全圖』などの地図には、「霧島大神社」と記載されている。堂内には「霧島大神御守牘」と刻した板木が残る。

名称の変遷を正確に記すことは難しい。一説に、霧島神社は当社が合祀した別の神社で、一時期、その霧島神社が当社を圧倒した、とも。

さらに、船光とは、往時はこの付近に滝川があったために、これに縁ある名ともいう。御祭神は宇迦之御魂神伊勢の神宮(伊勢神宮)の豊受大神宮(外宮)と同神だという。

当社の狐像はまるっとした柔らかい顔立ちで、犬をモチーフにしているかのようにも思える。稲荷の狐像はすらっとしたものが多い中で、当社のものは特徴的。

ビルの狭間に小さな鳥居があり、境内もとてもコンパクトではあるが、その鳥居の艶やかな赤さが独特な雰囲気を醸し出している。

【ご利益】
商売繁盛、事業成功、家内安全
船光稲荷神社 東京都港区南青山
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