読みは違うが、日本唯一の「安産」が付く神社、安産祈願が殺到も
[住所]石川県白山市平加町イ1
[電話]076-275-0513 - 若宮八幡宮

安産日吉神社(やすまるひよしじんじゃ)は、石川県白山市平加町にある神社。現在は若宮八幡宮の兼務社である。御朱印の有無は不明。

創立年代は不詳。当地の平加は、『延喜式』にもみえる加賀の大湊で、渤海の客便の来賓したこともある。往古よりの鎮座と伝わる。

御祭神は、大山咋命大己貴命の2柱。往古は比楽加(ひらか)と称し、安産川上流に古宮と称する地に鎮斎したという。

平安時代末期の寿永2年(1183年)5月11日、源義仲(木曾義仲)が平氏を追討する際、当社に参拝して表白文を捧げ、勝利を祈願したという。

その後、安産川の洪水により、社殿や神器、宝物すべて流失した。そこで、住民と力を合わせて現在地を選び、社殿を造営した。義仲の白文は奇跡的に現存するという。

手取川が比楽河と言われて堂尻川の河口に注いでいた頃、比楽湊は北前船の重要な拠点として繁栄した。その繁栄の中に、当社も存在していた。

拝殿は幕末に、本殿は明治時代末期に改築されたという。明治41年(1908年)、神饌幣帛料供進社に指定された。平成12年(2000年)9月、社殿が改築された。

当社の東側はかつて比楽河が流れていたこともあり、その伏流水の湧水が多く流れる安産川は、とても澄み切ったきれいな川だった。

この水を汲み、口をそそぎ、手を洗い、身を清めて船人は安全を、百姓は五穀豊穣を、女性たちは良き出会いと安産を祈願し、祭典が執行された。

社名は読みは違うものの、漢字からの連想で、安産の神として知られるようになり、現在では日本唯一「安産」を関する神社として注目されている。

安産の水を頂いたものは難産しないといわれ、参拝者の多くは女性で占められた。女性からの絵馬や燈篭などの奉納品も少なくなく、女性の守護神でもある。

また、昔からの言い伝えでは、本吉日吉神社、現在の藤塚神社とは雄神、雌神の関係で、毎年春季例祭は、雄神が平加の雌神のもとを訪れるのだと言われていた。

当社例祭は10月3日で秋祭。祈念祭・春祭が4月1日。通常は無人の社だが、名称効果からか、安産御守、安産祈願の依頼が急増しているという。

平成22年(2014年)から、4月・10月・11月を除く月1回午前11時に安産祈願の祈祷が行われている。初穂料は5000円。

その際、腹帯を持参すれば、一緒に祈祷してもらえる。授与品はお守りとお札。また、安産年越しイベントもあり、安産ぜんざい、安産うどんなどの振る舞いがある。

近くの「めん処一休どん」では安産うどんを販売している。税込み1103円(いいおさん)。妊婦は税込588円(Go!母)。

語呂合わせだけでなく、「体力が付く山芋、食欲が出る梅とショウガ、おめでたい金箔、子どもを模した卵をあしらった逸品」になっている。

当社の狛犬は珍しい子持ちの狛犬。親に寄り添うように抱かれる表情は安堵に満ちたもので、安産の狛犬として、当社のシンボルになっている。

【ご利益】
子授かり、安産、縁結び、家内安全(公式HP
安産日吉神社 石川県白山市平加町
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