須佐之男命が八岐大蛇退治で「八塩折の酒」を造らせた御室
布須神社 島根県雲南市木次町宇谷367
[住所]島根県雲南市木次町宇谷367
[電話]0854-42-1525

布須神社(ふすじんじゃ)は、島根県雲南市木次町にある神社。JR木次線の木次駅の東方山中に鎮座する。御朱印の有無は不明。

『出雲国風土記』にある「布須社」、『延喜式神名帳』にある「布須神社(出雲国・大原郡)」に比定される式内社(小社)の論社。

創祀年代は不詳。往古より、人々に室山さんと呼ばれ、親しまれ、崇敬されてきた。『出雲国風土記』に「神須佐乃乎命御室令造給所宿給故云御室」とある。

神代の昔、須佐之男命が八岐大蛇を退治する時に、「八塩折の酒」を造らせ、御室、つまり神の御座所を設けた地という。

麓には「釜石」といわれる神石があり、須佐之男命がここで酒を造ったという言い伝えがある。

現地では、当地付近には古くから「山ブドウ」などの果木が多いことから、須佐之男命が作らせた八塩折の酒とは、「果実酒」だったのではないか、との指摘がある。

ちなみに、当地で醸造された酒を入れた壷が、「印瀬の壷神」として、町内西日登の八口神社で祀られている。

室山の南半腹に造営されており、大古から本殿はなく、室山そのものを御神体として崇拝する神奈備式の社。

社記によれば、平安時代前期の文徳天皇の御代に正六位上の社格を授けられた。ただ、この際の記録は、特定の神を記したものではなく、全国のすべての神に対するもの。

その後社頭は荒廃したままになっていたが、平安時代末期の治承年間(1177年-1181年)、多くの石を積んで祠を造営し、弊を捧げて玉垣で囲み、敬拝したという。

また室山の裏側には、「寺床」とよばれる場所があり、平安時代初期から鎌倉時代には、ここに「四十二坊」があって、山岳佛教として栄えたという。

御祭神は、須佐之男命・稲田姫命。例祭は11月19日。境内社に、武内神社・愛宕神社・社日社・金刀比羅神社がある。

なお、当社は株式会社吉田ふるさと村が企画する「やまたのおろち伝承地巡行」の第二番である。その際は希望者に御朱印が授与される場合がある。

風土記所載「布須社」、式内社「布須神社」の論社は他に、加茂町に同名神社がある。

【ご利益】
厄災除け、事業成功、夫婦和合
布須神社 島根県雲南市木次町
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