風土記期所載社、八岐大蛇の尾を祀った旧尾原村、境内に尾呂地神社
石壺神社 島根県雲南市木次町平田409
[住所]島根県雲南市木次町平田409
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石壺神社(いわつぼじんじゃ)は、島根県雲南市木次町平田にある神社。『出雲国風土記』にある「大原社」「石壷社」に比定される場合がある。御朱印の有無は不明。

創立年代は不詳。『雲陽誌』によれば、岩坪大明神と称された。仁多郡三沢村郷内であって、「尾原村」と呼ばれた地。

社地は、簸の大川とも呼ばれた斐伊川の屈曲した川に囲まれ、独立した岩山で、真にその名の通りの「岩坪」。

清廉閑雅の神域で、その山容はあたかも巨大な亀が大川に対するがごとしで、「亀山」と呼ばれてきたという。

江戸時代の『神代藻塩草』にある「出雲社記」には、雲州仁多の佐白と、大原群中久野村の境に「八頭坂」がある。

素戔嗚命が八岐蛇(八岐大蛇)を斬ったところで、八頭坂を西に下った斐伊の郷には「八本杉」があって、大蛇の頭が祀られている。

現在の斐伊神社の飛び地境内に「八本杉」は残る。また、当地の尾原村には、大蛇の尾が祀られてあり、そのために尾原の地名が生まれたという。

明治5年(1872年)、村内安井の若宮神社、小端の若宮神社、法印宮谷の岩船神社を合祀した。

当社上流の北原と尾原地区に大規模な多目的ダムが建設されることになり、その造成工事のため、平成11年(1999年)5月6日に現在地に遷座。

翌平成12年(2000年)10月28日に、社殿が新築されて、本殿遷座祭が斎行された。

当社の御祭神は、武雷命斎主命天児屋根命・比咩大神の春日四神。若宮八幡宮(誉田別命玉依姫命息長足姫命)を合殿する。

境内社に、社日社(天照皇大神大己貴命少彦名命倉稲魂命埴安命)、杵築神社(大山祇命・素盞嗚命・大己貴命)、尾呂地神社(おろちじんじゃ。蛇神)、荒神社がある。

この尾呂地神社が、尾原村の名の由来となった大蛇の尾を祀る神社となる。小さな石祠だが、千木が大蛇の角、屋根が大蛇の顔になっている。

なお、『出雲国風土記』の「大原社」の他の候補としては、奥出雲町上阿井の大原神社がある。

【ご利益】
諸願成就
石壺神社 島根県雲南市木次町平田
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