須佐之男命が八岐大蛇胎児に用意させた酒壺「印瀬の壷神」
八口神社 島根県雲南市木次町大字西日登1524-1
[住所]島根県雲南市木次町西日登1524-1
[電話]-

八口神社(やぐちじんじゃ)は、島根県雲南市木次町西日登にある神社。JR木次線の日登駅の西方山中に鎮座する。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。簸ノ川(斐伊川)の天が淵に住む八岐大蛇は国神である脚名槌、手名槌夫婦の娘を、毎年一人ずつ奪った。

今年はついに8人目の末娘、稲田姫が奪われようとしていると、泣き悲しんでいた老夫婦から事情を聞かれた須佐之男命は現社地に仮の館を建てさせた。

そこで須佐之男命は、下記のように老夫婦に指示をした。
汝等は八塩折の酒を醸り、垣を造り廻らしその垣に八門を作り、門毎に八桟敷を結い、その桟敷毎に酒船を置きて船毎にその八塩折の酒を盛りて待ちてよ
『古事記』にも記された、有名な説話。八塩折の酒とは、本居宣長によると、水ではなく、酒を使って新たに酒を醸造し、それを8回繰り返したものであるとする。

これによって濃醇な酒ができると考えられている。現在、松江市にある國暉酒造会社で、その製法で再現された日本酒が造られている。

当社境内に「印瀬の壷神」として祀られてあるのは、その酒壷の一つと伝わる。口経4寸5分(約14センチ)・腹経6寸5分(約20センチ)・深さ5寸(約15センチ)。

昔、土民がこの壷に触れたところ、俄かに天はかきくもり山は鳴動して止まず、八本の弊と八品の供物を献じて神に祈ったところようやく静まったという。

現在も毎年旧6月晦日の夕刻、氏子全員がにぎやかに参拝し、昔ながらの八本の幣と供物を献じて壷神祭を続けている。昔から「印瀬の壷神さん」として広く知られている。

安土桃山時代の天正年間(1573年-1593年)に、三沢城主三沢為景為景が建立した国神社があったが、後世荒廃したため、合殿として当社に合祀された。

現存する最古の棟札は、江戸時代中期の宝暦8年(1758年)のものであるである。

明治43年(1910年)、三社神社に合祀されたが、7戸の氏子の熱心な願望により、昭和21年(1946年)、御分霊を奉斉して、飛地末社となり、その後独立して旧社地に復した。

御祭神は、主祭神が須佐之男命・櫛名田姫命。国神社(脚名槌命・手名槌命)と八幡宮(誉田別命)を配祀する。例祭は10月27日で例大祭。

当社は、平成20年(2008年)5月17日公開の日本映画『うん、何?』のロケ地にもなった。

なお、当社は株式会社吉田ふるさと村が企画する「やまたのおろち伝承地巡行」の第三番である。その際は希望者に御朱印が授与される場合がある。

加茂町にも同名の神社があるが、加茂町の同名神社は『出雲国風土記』所載の式内社で、当社とは別の神社である。

また、八塩折の酒を実際に造らせた地として、町内の布須神社にその伝承が残っている。

【ご利益】
諸願成就、厄災除け
八口神社 島根県雲南市木次町
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