多岐喜姫命を祀る風土記記載の式外社、12年に一度のホーランエンヤ
[住所]島根県松江市東出雲町出雲郷588-1
[電話]0852-52-3468

阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)は、島根県松江市東出雲町出雲郷にある神社。9号線の道路に面した所に大鳥居がある。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創建年代は不詳。『出雲国風土記』に「阿太加夜社」として記載されている。貞観元年(859年)7月11日に正五位下を授けられた。

ただし、『延喜式』巻9・10神名帳に記載はなく、式外社である。御祭神は阿太加夜奴志多岐喜比売命(あだかやぬしたききひめ)。

阿太加夜(あだかえ)の主として、出雲の多伎町に祀られているほど、広く出雲の地で活躍した出雲鎮守の神だという。古くは出雲江、今の出雲郷を「あだかえ」と読む所以。

ただ、江戸時代中期の『雲陽誌』では、現在の出雲市多伎町の鎮座する多伎神社から当社は御分霊を勧請したとしている。

社殿など諸建造物は江戸時代前期の元禄8年(1695年)3月23日、出雲松江藩の3代藩主松平綱近により造営され、代々の藩主による修造の棟札が現存している。

また、社頭30石を寄進された。しかし中古、火災によって資料などが焼失しており、詳細は不明。通称芦高大明神と呼ばれ、近郷の信仰を集めた。

現在までに、国之底立命須佐之男命淑母陀流命阿志古泥命を配祀する。例祭は10月9日・10日。

12年に一度、江戸時代初期から始まる、日本三大船神事である豪華絢爛の水上絵巻のホーランエンヤが斎行される。

松江城稲荷神社の神輿を当社の本殿に迎え、1週間の間、出雲国の五穀豊穣と産業の発展を祈願する祭り。

境内社に、稲荷神社(宇迦之魂命)、雨風神社(奥津彦命奥津姫命級長津彦命・級長津姫命)、兵庫神社(松岡兵庫頭)がある。

境内にはタブノキの巨樹がある。樹高は約15メートル、目通り幹囲は約6.2メートル。

当社北には、面足山万葉公園があり、八束水臣津野命の国引き神話の地。配祀の淑母陀流命などが祀られていたのだろうか。

一帯は、縄文時代より集落があり、近くには縄文時代の春日遺跡があり、当社地も弥生時代の「阿太加夜神社境内遺跡」となっている。

なお、当社付近には河童橋があり、河童の宮と呼ばれた当社に祀ってあった河童の詫鉦文を、河童が夜に取り返しに来て、扉を爪で掻くので、平濱八幡宮に移した、という伝承がある。

【ご利益】
地域安全、五穀豊穣、大漁満足、商売繁盛
阿太加夜神社 島根県松江市東出雲町出雲郷
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