平安期に山内首藤氏が創建、戦国期に再興、本郷6ヶ村の総鎮守
[住所]神奈川県横浜市栄区小菅ケ谷3-57-17
[電話]0467-22-3251 - 御霊神社

春日神社(かすがじんじゃ)は、神奈川県横浜市栄区小菅ケ谷にある神社。現在は御霊神社の兼務社である。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。平安時代、山内首藤(やまのうちすどう)氏が創建したという説がある。当地は、山之内荘本郷といわれ、山内首藤氏の荘園だった。

山内首藤氏は在地武士団で、源義家以来、源氏と深く関係していた。山内俊道とその子俊綱は、保元の乱(1156年)、平治の乱(1159年)で、源義朝に属し、討ち死にした。

源頼朝が挙兵した際、俊道の次男である経俊が頭領だったが、頼朝側弱小と見て、平家方に味方した。

そのため、鎌倉に入府した頼朝に経俊はとらえられ、山之内荘を取り上げられた。当地の山内首藤氏の没落が、当社の衰微を招いたといわれる。

『新編相模国風土記稿』によれば、戦国時代の永禄8年(1565年)、小田原北条氏の公田の地頭職だった宇部左京亮(うべさきょうのすけ)の子息、宇部松菊丸が再建した。

この時、桂・公田の神明、鍛冶ヶ谷の八幡、上郷の白山、中野の稲荷という本郷各村の鎮守を当社の末社とした。本郷6ヶ村の総鎮守となった。

これは宇部氏による当地に威勢を振るう政策の一つだったと考えられている。同時に別当寺として龍光院を再建、往時の社勢を再興した、というもの。

明治初年(1868年)、廃仏毀釈により、龍光院が廃寺。現在の社務所がその跡である。本尊の不動明王は大誓寺に移された。

当社の御祭神は、天児屋根命武甕槌命経津主神・比売命の春日四神。例祭は9月第4日曜日。神楽が奉納され、神輿渡御が行われる。参道などには露店なども出る。

有志団体「明日襷(あしたすき)」がある。当社の神輿をフランスやドイツなど海外で渡御し、日本文化普及を行っている。

例祭でも多くの人が参加しているが、初詣や小正月、節分など季節の行事でも当社境内は賑わうといい、往時の総鎮守の伝統を今に受け継ぐ。

社殿は春日造ではなく、権現造りで、本殿部分は覆屋で、のぞき窓から、幕末建立とされる本殿中宮を見ることができる。

見事な彫刻が四面を飾っている。拝殿が瓦葺きで本殿覆屋が銅葺き。拝殿屋根には唐獅子と蕾付き牡丹の花の飾り瓦が上がる。神社では珍しい。

参道入口に、万延元年(1860年)と正徳3年(1713年)銘の庚申塔がある。境内には年代不詳ながら双体道祖神がある。石祠、不動(三猿)も祀られている。

付近には、市内最古という通称「いぼとり地蔵」という石地蔵がある。

【ご利益】
地域安全、家内安全、身体壮健
春日神社 神奈川県横浜市栄区小菅ケ谷
【関連記事】
神奈川県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、神奈川県に鎮座している神社の一覧