義家植樹伝承、もとは月読命などを奉斎、昭和に合祀した落合富士
[住所]東京都新宿区上落合1-26-19
[電話]03-3368-3939

月見岡八幡神社(つきみがおかはちまんじんじゃ)は、東京都新宿区上落合にある神社。落合中央公園の西側に鎮座する。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創建年代は不明。平安時代、源義家が奥州征伐の際に参詣し、戦勝祈念として松を植樹したと伝えられている。

社号の「月見岡」は、旧境内地にあった沸井の水面に月光が美しく映ったことから、里人が月の美霊として崇敬したことに由来するという。

もとは月読命・美井乃神・杉井乃神を祀っていたといい、現在も旧斎神として伝わっている。後世になり、八幡大神が奉斎されるようになったという。

現在の御祭神は、品陀和気命(応神天皇)・息長帯比売命(神功皇后)・大雀命(仁徳天皇)。

江戸時代後期の『新編武蔵風土記稿』上落合村の条にも「八幡社」とあり、「村の鎮守なり。春日稲荷を合祀れり」とある。

当時の別当は最勝寺だった。天保7年(1836年)から天保11年(1840年)にかけて、拝殿が建設された。

明治39年(1906年)に北野神社、昭和2年(1927年)に浅間神社と富士塚を合祀した。この富士塚は、現在の上落合2-28付近にあったとされる。

江戸時代中期の寛政2年(1790年)に大塚という古墳を利用して造られたもので、「落合富士」と称されていた。『新編武蔵風土記稿』にも記載されている。

かつては、上落合・下落合・中井・西落合(葛谷)などに広がる月三落合惣元講という講中があったという。

大正13年(1924年)、神楽殿・水舎・社務所を造営したが、昭和20年(1945年)5月の空襲で焼失した。

昭和23年(1948年)に本殿を、昭和29年(1954年)に社務所を再建。昭和31年(1956年)に付属保育園として八幡神社愛育園を設立した。

もとは現在の上落合1-7にあたる区立八幡公園周辺に鎮座したが東京都下水道局落合処理場の建設に伴い、その用地に組み込まれることになった。

そのため、近隣の公園と土地を交換し、昭和36年(1961年)から現在地に社殿などの施設を再建、翌昭和37年(1962年)に遷座した。

例祭は9月第1日曜日。幼稚園の園庭のような境内に露店などが出る。子供神輿・山車巡行のほか、大人神輿の渡御が行われる。

境内社に、天祖神社、北野神社、足王神社・道祖神社が合祀された小祠、笑福稲荷神社がある。

その裏手には区指定文化財で、江戸時代前期の正保4年(1647年)という区内最古の宝篋印塔型の庚申塔がある。

また、非公開だが、天明5年(1785年)に奉納され、昭和初期に北海道で発見された区登録文化財の「鰐口」、旧社殿の天井の板絵「谷文晁の絵」もある。

合祀した浅間神社と、その後方には移築された富士塚、いわゆる「落合富士」がある。本殿屋根と同じくらいの高さの、相応の規模のもの。

【ご利益】
厄災除け、安産、家内安全、地域安全、身体壮健
月見岡八幡神社 東京都新宿区上落合
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月見岡八幡神社 東京都新宿区上落合の御朱印