「たつしまはん」建御名方神の妹? 孝元天皇妃? 諸説ある御祭神
[住所]徳島県小松島市中田町字広見42
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建嶋女祖命神社(たつしまめおやのみことじんじゃ、建島女祖命神社)は、徳島県小松島市中田町にある神社。鳥居扁額には「建島神社」とある。御朱印の有無は不明。

中田(ちゅうでん)の地に鎮座。参道の奥に小島のような丘があり、その丘が境内。勝浦川の分岐点に近い場所で、もとは社名通り、本当に島だったかもしれない。

『延喜式神名帳』にある「建嶋女祖命神社(阿波国・勝浦郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。社殿裏の中田山を中心に、付近には多くの古墳があり、これまで土取工事などに伴い、勾玉、須恵器、刀剣、鏡、玉類が出土している。

平安時代前期、『日本三代実録』元慶7年(884年)12月28日に従五位下から従五位上の神階を授けられた埴生女屋神が当社のこととする説がある。

社名からも御祭神は建嶋女祖命であり、これが埴生女屋神と同神なのか、あるいは、埴安姫命下照姫命沖津比女命伊邪那美命などとする説がある。

下照姫命とすれば、特に建島女祖下照姫命とも呼ばれるため、建御名方神の妹とされる。阿波には諏訪大社の本宮との指摘もある多礽御奈刀弥神社がある。

また、やはり阿波には、父の大国主命を祀る八鉾神社、兄の事代主神を祀る生夷神社事代主神社阿遅鉏高日子根神を祀るともされる鴨神社がある。

ちなみに、阿波国那賀郡には式内社「建比売神社/建比賣神社」があり、現在は阿南市宝田町川原の古烏神社に比定されている。

これらとは別に、当社御祭神を波邇夜須比売とする説もある。第8代孝元天皇の妃の一人で、『古事記』でも反乱者として描かれている建波邇安王の母。

孝元天皇の別の妃に伊迦賀色許売命がおり、阿波では伊加加志神社で祀られている。

それほどメジャーとも思えない孝元天皇の妃がこの阿波で2人も祀られている、となれば、「何かあった」とも考えられる。

「建嶋(島)」は「たてしま」と訓まれたこともあり、また近世の地誌類には「竹島大明神」などと記されるので、「たけしま」と訓まれることもあったようだ。

どちらにしろ、当地開拓の女神だったことは間違いなく、江戸時代には細川家より神地を寄進され、その後の藩主の崇敬も篤かったと伝わる。

現在も地元では「たつしまはん」として親しまれている。神紋は稲の丸。例祭は10月10日。夏祭が7月10日に行われる。

合祀の応神天皇は、もと多家良村本庄八幡宮に鎮座していたが、洪水で流れ、江田村の澤星八幡(中田西八幡神社)として祀られていた。明治42年(1909年)、当社に合祀された。

境内には二対の狛犬がある。一つは年代不明だが、奉納者名に「日野屋宇吉」とある。もう一つは、幕末の慶応3年(1867年)建立の出雲構え獅子。

【ご利益】
子宝・安産、産業振興、地域安全
建嶋女祖命神社 徳島県小松島市中田町
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