式内論社・月根尾神社を合祀、11月に頭神事式、古式の相撲神事
狩山八幡宮 島根県雲南市大東町下佐世狩山837
[住所]島根県雲南市大東町下佐世狩山837
[電話]0854-43-3483

狩山八幡宮(かりやまはちまんぐう)は、島根県雲南市大東町下佐世狩山にある神社。近代社格では郷社。インターネット検索では狩山神社社務所とも表示される。御朱印の有無は不明。

狩山集落の東、住宅に挟まれた入口には石段が造られ、上に注連柱、左に由緒書きの掲示板と御旅所が設えられている。

さらに石段を上がっていくと、境内の入口には出雲構え獅子の狛犬。社務所があり、また石段を上がると、上の境内入口にも出雲構え獅子の狛犬。

上の境内正面には大きな注連縄が掛かっている入母屋造りの拝殿、その左に神饌殿、奥に弊殿・通殿と流造の本殿がある。

聖武天皇の御宇、奈良時代の天平元年(729年)、佐世末葉遠江守源朝臣正真が霊夢に従い、九州宇佐八幡宮を勧請し、創建したと伝えられている 

一方で、『式内社調査報告』では、假山八幡宮(仮山八幡宮とも)とあり、石清水八幡宮から勧請したという。佐世城主佐世越中守幸勝・清宗らが崇敬したという。

安土桃山時代の文禄4年(1596年)、佐世伊豆守正勝により拝殿が建立された。その際、神領も寄進し、奉納した祈願神事は頭神事として今に伝えられているという。

現在、境内には佐世正勝の墓所があり、五輪塔などがある。

大正8年(1919年)、月根尾神社を合祀し、昭和4年(1929年)には郷社に列し、神饌幣帛料供進社に指定された。

この月根尾神社は、『延喜式神名帳』にある「佐世神社(出雲国・大原郡)」に比定される式内社(小社)の論社。

式内「佐世神社」は、『出雲風土記』に「佐世社」と記載されている。近世には月根尾大明神とも称された。

この月根尾大明神は、白神大明神とともに式内論社となったが、明治になり、白神大明神改め佐世神社が式内社に認められた。

当宮では現在、相殿に佐世神社を祀る形態になっているが、これは式内「佐世神社」→月根尾大明神→月根尾神社の系譜を引くもの。

現在までに当社の御祭神は、誉田別命足仲彦命息長足姫命。合祀神として、須佐能袁命月夜見命大国主命を祀る。

例祭は11月3日。先述の頭神事式で、氏子を8頭に分け、2頭ずつが年番で相撲神事を奉仕する。東西両頭から力士が出され、力士は裸で川に入って潔斎する。

そして、松明のかがり火のもとで12番の相撲をとる。1回取り組みが終わるごとに五色の布を肩に掛ける。古式の相撲神事で貴重、相撲協会も取材している。

境内西側には旧神宮寺の阿弥陀如来本尊を安置した堂宇があり、また南西約500メートルほどの地に、佐世城跡及び城山公園がある。

境内には他に、狐穴のある稲荷神社や、他の境内社一宇、社日などが祀られている。また、現在は使われていない神井(泉)も祀られている。

【ご利益】
厄災除け、武運長久・勝運、身体壮健、家内安全
狩山八幡宮 島根県雲南市大東町下佐世狩山
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