江戸中期に宮を建立した相模七鯖社の一つ、八坂社と夏祭り
左馬神社 神奈川県大和市上和田1168
[住所]神奈川県大和市上和田1168
[電話]046-263-7071 - 浅間神社

左馬神社(さばじんじゃ)は、神奈川県大和市上和田にある神社。近代社格では村社。上和田左馬神社とも。現在は浅間神社の兼務社である。御朱印の有無は不明。

江戸時代中期の宝暦14年(1763年)3月、9代将軍徳川家重の代、当村の名主渡辺兵左衛門・小川清右門がこの地に宮を建立したと伝えられる。

その際は鯖大明神と称し、左馬頭源義朝の霊を勧遷し、村民の精神修養道場となって、庶民の崇敬を集めた。

江戸時代後期の文化13年(1816年)4月、上和田信法寺14世住職の憧挙上人が氏子の賛同を得て、五穀豊穣の祈願を行ったところ、御神徳があまねく広がったと伝わる。

文化13年の際は左馬大明神と称されたが、幕末の慶応2年(1866年)12月には和田左馬大明神と称した。

境川中流域に12社ある鯖(サバ)神社の一つで、古くより相模国の七鯖神社の一つに数えられ、厄除けの七サバ参りの一社である。

明治42年(1909年)7月、村社に列し、現社号に改称した。現在の拝殿の扁額には左馬社とある。

宝暦の年から3回ほどの立替え記録が棟札により確認されている。現在の建物は昭和7年(1932年)に建立された。

社殿は古くは御神木の大スギの側に建立されたが、昭和27年(1952年)に枯損したため伐採された。また、樹齢700年の老松もあったというが、現存していない。

当社の例祭は9月24日。現在は御神木として、大イチョウとタブノキの巨樹がある。鳥居わきの道祖神群が祀られている。

境内社に三社殿があり、中央が天照皇大神、向って右側が神武天皇、左側が須佐之男命の三神を奉斉している。その社殿は昭和51年(1976年)に改築された。

境内には神楽殿がある。従来より祭礼の日に猿楽・田楽を催し、近世では芝居や御神楽が行われた。昭和51年に大修理が行われ、現在に至っている。

また、御輿殿がある。八坂神社お仮屋で、須佐之男命を奉斉する。特に農民の五穀豊穣を願う守護神として崇敬されてきた。江戸時代より伝わるお神楽が残る。

この八坂神社では、毎年7月14日を祭礼の日と定め、御輿をかつぎ、疫病や作物の病虫害などからの災いを守るため、農家一戸一戸を回り、それを祈願する。

この祭礼は八坂神社の夏祭りとして、戦前は地域最大の夏まつり行事として知られ、他の地域からの見物客で賑わった。戦後もやはり当地の夏の風物として斎行されている。

鐘楼堂がある。そもそもは文政11年(1828年)9月上旬に作られた神鐘があったが、戦中に供出、戦後になり、新たに鋳造されたものが現在のもの。

なお、文政11年9月作の神鐘の彫字は戦中供出する時点に書写され、原文が残っている。
掛畏左馬大明神者相陽鎌倉高座之鏡平流川遷左右仁宮柱太面敷立七箇所之内に鎮り坐す、一則の御神と而霊験殊に新に然往右当社有之所鐘中津頃破却して無之猶今般氏子致円情御当主御武運切中蒼生子々孫まで安全祈耳、

千早振神遷綿娯
民分双方琉馬斯
安吉廼丹戻稲之
甫苔細A楼徳門(Aは挃夫)

小川敬道白
【ご利益】
厄災除け、病気平癒、無病息災、開運招福、平穏安寧
左馬神社 神奈川県大和市上和田
【関連記事】
鯖神社とは? - サバ・さば、神奈川県中部の境川中流域、源満仲や左馬頭義朝を祀る12社
神奈川県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、神奈川県に鎮座している神社の一覧