桃園川沿い水田の中に鎮座、3月稲荷講、社前は堀ノ内新道
[住所]東京都杉並区高円寺南1-30-15
[電話]03-3311-4077 - 高円寺天祖神社

田中稲荷神社(たなかいなりじんじゃ)は、東京都杉並区高円寺南にある神社。現在は高円寺天祖神社の境外末社である。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。桃園川沿いに広がっていた水田の中にあったことから、田中稲荷の名で呼ばれるようになったとされる。

江戸時代後期の『新編武蔵風土記稿』高円寺村の条にも「稲荷社」とあり、「村の東の方田の畔にあり。田中稲荷と称す」とある。

御祭神は受持神。旧高円寺村の農家の守り神として崇敬された。

以前は、毎年2月最初の午の日(初午)に村の家々で赤飯を炊いておむすびを作り、神前に供えて豊作を祈願したという。

現在でも「稲荷講」として、1ヶ月遅れの3月の初午の日に、近くの商店や町会の人々によって続けられている。

当社の前の道が堀ノ内新道。この道は、中野で馬糧商を営み、日蓮宗の熱心な信者で、妙法寺の檀家総代をしていた関口兵蔵が、明治29年(1896年)に私財を投じて作ったもの。

中野駅から当社の前を通り、現在の蚕糸の森公園の西側を経て、堀ノ内妙法寺の門前までの農道を整備して、道幅四間(7.2メートル)、距離約2キロの新道を作った。

「かいば屋」の叶屋が開いた道なので、通称「かいば道」とも。

この新道は、参詣人や地元の人々に大変喜ばれ、昭和3年(1928年)、翁の功績を讃えて地元有志により、「故関口兵蔵翁開道記念碑」が建てられた。

【ご利益】
商売繁盛、事業成功、交通安全、家内安全
田中稲荷神社 東京都杉並区高円寺南
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