東海道の宿場、大山詣の遥拝地、幕府要人崇敬の、南湖中核
[住所]神奈川県茅ヶ崎市南湖4-4-29
[電話]046-267-2939 - 日枝神社

八雲神社(やぐもじんじゃ)は、神奈川県茅ヶ崎市南湖にある神社。南湖中町八雲神社とも。現在は市内中島の日枝神社の兼務神社である。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。口碑によれば、郷土が拓けてより、郷民が産土神として奉祀したものだという。御祭神は素盞嗚尊

江戸時代前期の正保・慶安年間(1644年-1652年)の頃、徳川幕府により茶屋町が東海道の宿場として指定されると、宿泊の旅人は当社に参詣して道中の安全を祈願したという。

また、大山阿夫利神社詣の人々は、当社で遠く大山を望んで遙拝することが多かったために、当社境内を石尊山と称したという。

江戸時代中期の宝暦12年(1762年)、当地が幕府の天領となり、また附近に砲術場もあって、幕府要人も来往の度に当社に参拝したという。

江戸時代後期の天保2年(1831年)、当時の名主である茶屋町の重田八郎左衛門により社殿が再建された。

明治に入り、社殿は改築されたが、明治24年(1891年)12月、火災により焼失。翌明治25年(1892年)には本殿を、明治37年(1904年)7月には拝殿が再建された。

大正12年(1923年)9月の関東大震災では、本殿を残して倒壊。昭和5年(1930年)から3ヶ年計画により、昭和8年(1933年)3月、完全に復興した。

昭和19年(1944年)、太平洋戦争の際、米軍の本土上陸を阻止するため、湘南海岸線に築く陣地の用材として、当社の古木が使用された。

境内の古木は数本を残して伐採されたという。現在は、松苗植樹記念の碑がある。また、平成13年(2001年)7月、屋根が修復された。

南湖の最も歴史のある神社で、南湖全体の氏神だったが、明治に入り、地域が大きくなると、南湖は茶屋町・鳥井戸・上町・中町・下町の5つの町内に分かれた。

当社はそのうち、「なか」と呼ばれる中町の氏神になっている。他の地区にも現在はそれぞれの氏神が祀られている。

・茶屋町…茶屋町大神宮
・鳥井戸…御霊神社
・上町……金刀比羅神社
・中町……当社
・下町……住吉神社

当社はその中でも江戸時代から続く、南湖の中核神社とされている。当社の例祭は3月15日に近い日曜日。

当社は毎年7月の海の日に神奈川県茅ヶ崎市西浜海岸で行なわれる浜降祭(はまおりさい)に参加する一社である。

境内には他に、〆金神・風神、単体道祖神、幕末の嘉永4年(1851年)銘のある双体神祇道祖神などが祀られている。

【ご利益】
厄災除け、病魔退散、旅行・交通安全、地域安全
八雲神社 神奈川県茅ヶ崎市南湖
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