源氏が報恩で創建、稲毛神社とも関連、旧大島村の鎮守
[住所]神奈川県川崎市川崎区大島3ー4ー8
[電話]044-222-4827

八幡神社(はちまんじんじゃ)は、神奈川県川崎市川崎区大島にある神社。大島八幡神社、大島八幡宮などとも。現在は稲毛神社の兼務社。御朱印の有無は不明。

江戸時代に当社の別当をつとめていた真観寺が火災に遭い、古い記録の一切が失われたため、その由来や創建年代は不詳。

ただし、言い伝えによれば、平安時代、源義家が前九年、後三年の役(1051年-1087年)により、関東に一大勢力築いたことと、当社創建が関係するという。

当地域の住民たちが両大役の折、源氏方の将兵の宿泊に民家を提供したり、兵糧を提出したりして協力したことに対し、源氏一族が感謝として建立したという。

大島村は江戸時代までは河崎山王社、つまり現在の稲毛神社の氏子で、現在も同社に伝わる格式高い重儀「宮座式」の重要な所役を担っている。

『新編武蔵風土記稿』大島村の条にも「八幡社」とあり、「村の惣鎮守にして例祭年々六月十四日なり。此時神輿を旅所へ渡して読経をなせり。此旅所は大島村の境にあり」とある。

江戸時代以来大島村鎮守として村民和楽の中心だった。氏子による信仰も篤く、戦前でも月々2000-3000円の匿名の寄付があったという。

昭和20年(1945年)4月の戦禍で本殿はじめ全ての建造物を焼失したが、その復興も極めて順調に行われた。

御祭神は、誉田別命伊弉諾尊伊弉冉命。例祭は8月第1日曜日で、神幸祭が行われる。その前日土曜日が前夜祭。出店や神輿渡御がある。7月下旬には盆踊りがある。

境内社に権現社(天照皇大神、春日大明神、八幡大善神、白滝大善神、白竹日本大善神)と、大島稲荷大神(稲倉魂神)がある。力石が安置されている。

境内には他に、文化7年(1810年)建立の「大島新田記念碑」、明治39年(1906年)建立の日露戦争凱旋記念狛犬、大正4年建立(1915年)の「伝桃記念碑」などがある。

この日露戦争凱旋記念狛犬は、11代目飯島吉六の作。吽の狛犬のみが砲弾を抱えている。いわゆる砲弾狛犬である。

砲弾狛犬は他に、川崎市中原区の大戸神社、横浜市中区本牧原の吾妻神社、横浜市南区山王町の日枝神社、千葉県館山市長須賀の熊野神社にある。

当社には他に、江戸狛犬一対がある。

【ご利益】
厄災除け、家内安全、夫婦和合
八幡神社 神奈川県川崎市川崎区大島
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