戦国期に信濃国戸隠大明神を勧請、珍しい砲弾抱える狛犬
[住所]神奈川県川崎市中原区下小田中1-2-8
[電話]044-422-3271 - 日枝神社

大戸神社(おおとじんじゃ)は、神奈川県川崎市中原区下小田中にある神社。市バスのバス停に大戸神社前がある。現在は丸子山王日枝神社の兼務社。御朱印の有無は不明。

戦国時代の永正年間(1504年-1521年)、世田谷吉良氏家臣の内藤豊前の舎弟である内藤内匠之助が信濃国戸隠大明神を勧請、創建したと伝わる。

「内藤家縁起」によれば、内匠之助が吉良家の領地である下小田中村に移った際の創建だったといい、開拓の守護神として奉斎されたものか。

『新編武蔵風土記稿』下小田中村の条には「大戸明神社」とあり、もとは戸隠明神で、金龍寺、現在の全龍寺が別当だったと記載されている。

同書によれば、江戸時代前期の寛永16年(1639年)銘の社殿建立の棟札があり、この時に再興されたものだともいう。

明治39年(1906年)、下小田中にあった稲荷社・天神社などを合祀した。

主祭神は手力雄命。他に、天照皇大神倉稲魂神豊玉姫命豊受比売命菅原道真面足尊火産霊大神須佐之男命を祀る。

例祭は10月体育の日に近い日曜日で、例大祭。神輿渡御があり、祭囃子保存会がある。7月7日に夏季大祭がある。

拝殿前の左右に明治40年(1907年)10月吉日建立の阿吽の狛犬が配置されている。阿吽ともに砲弾を抱えているのが特徴。

その砲弾には「日露戦捷紀念」と刻まれ、砲弾の下部には金属の輪がはめ込まれている。いわゆる砲弾狛犬で、全国的に極めて珍しい。

左右の台座に6名ずつ、計12名の奉納者の名前が刻まれているが、この村から日露戦争へ参加し、凱旋した人達。

砲弾狛犬は他に、市内川崎区の大島八幡神社、横浜市中区本牧原の吾妻神社、横浜市南区山王町の日枝神社、千葉県館山市長須賀の熊野神社にある。

【ご利益】
スポーツ・技芸上達、開運招福、商売繁盛、安産
大戸神社 神奈川県川崎市中原区下小田中
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