慶長年間に山城を勧請、旧堰村の鎮守、安産の守護神
[住所]神奈川県川崎市多摩区堰2ー5ー20
[電話]044-522-4844 - 稲荷神社

稲荷神社(いなりじんじゃ)は、神奈川県川崎市多摩区堰にある神社。堰稲荷神社(せきいなりじんじゃ)とも。現在は、中野島稲荷神社の兼務社。御朱印の有無は不明。

勧請の年月は不詳だが、口碑によれば、安土桃山時代の慶長年間(1596年-1615年)、山城国伏見稲荷大社より勧請したという。その後、多摩川河川敷の伊勢宮を合祀した。

堰村の鎮守。村の発生とともに勧請されたと考えられる。村名の起りは、開墾当初に多摩川の水を引こうとして、堰を作ったことによる。

当時、7人の民がいて草野に住み、みなで開墾に当った。その子孫も「七家」と称した。彼らの先祖もみな武家で、武器・旧記などを所蔵していたが、度々の洪水で流失したという。

一説に、江戸時代前期の延宝年間(1673年-1680)以前の奉斎とも。延宝4年(1670年)に社殿が設けられ、江戸時代中期の享保10年(1725年)に再建したと伝える。

さらに別説に、元文5年(1740年)9月、村内の氏子を代表して庄屋保谷金右衛門が山城国伏見稲荷神社の御神霊を分祀したともいう。

『新編武蔵風土記稿』堰村の条に「稲荷神明合社」とあり、村の中央にあって、別当は龍厳寺。例祭は毎年2月初午と9月8日で、神楽を奏したという。

御神体は右手に寳珠を持ち、左手に剣を握り、白狐に腰かけた木像だったという。神明の御神体は、長さ7寸ほどの立像だったという。

また、安産守護の神で、昔より今に至るまで、村内に難産の者がなく、他村の者も、当社に祈願すると、難産を免れたという。

御祭神は、倉稲魂命。農業・商売・社運の繁栄の神として崇敬されている。相殿に、『新編武蔵風土記稿』に記された神明に相当すると思われる天照大御神を祀る。

現社殿は、大正6年(1917年)に造営されたもの。現在の例祭は10月体育の日に近い日曜日で秋季例大祭。その前日が宵宮祭で、神幸祭。

宵宮では、巫女舞が奉納され、久地小学校おはやし同好会の演奏があり、夕方から神輿の宮出しがあって、夜に宮入りが行われる。

本宮では、子供山車の渡御、龍厳寺保育園鼓笛隊の演奏、神輿の宮出しと渡御、宮入り、奉納演芸などが行われる。

また、2月上午の日が初午祭。境内末社に、稲荷社がある。他に境内には御神木を祀る。

【ご利益】
安産、商売繁盛、事業成功、開運招福
稲荷神社 神奈川県川崎市多摩区堰
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