鈴木新田の一つ、明治に合祀も昭和に復社、4月に境内社の天王祭
[住所]東京都小平市上水本町2-6-14
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上鈴木稲荷神社(かみすずきいなりじんじゃ)は、東京都小平市上水本町にある神社。近代社格では村社。現在は熊野宮の兼務社である。御朱印の有無は不明。

玉川上水の南、府中街道と五日市街道の交差点付近に鎮座する。玉川上水南沿いは、上鈴木(現 上水本町)で、鈴木新田の一つ。

当社は、江戸時代中期の享保8年(1723年)3月、新田開発に際し、親村である貫井村(現 小金井市貫井町)から稲荷神を勧請し、鎮守として遷祀したもの。

御祭神は倉稲魂命。明治3年(1870年)8月、品川県御役所宛書上書に「武州多摩郡鈴木新田産土神稲荷社上下式社」とある。

翌明治4年(1871年)の書上書には「武州多摩郡鈴木新田字上鎮守稲荷社」とある。明治6年(1873年)、村社に列したが、明治41年(1908年)に下鈴木稲荷神社に合祀された。

しかし、地元住民の強い要望により、戦後になって、昭和24年(1949年)1月、元陸軍経理学校に祀られていた若松神社社殿を大蔵省より払い下げを受けた。

昭和27年2月(1952年)、分霊鎮座祭が斎行され、再び上鈴木の氏神として遷座。木造茅葺屋根の本殿は現在、地元の氏子によって屋根に覆われ、大切に保存されている。

境内社に須賀神社(建早須佐之男命)、御岳神社がある。須賀神社では毎年4月15日に近い日曜日、およそ4月第3日曜日に天王祭が行われる。

上鈴木稲荷神社天王祭とも呼ばれるが、稲荷で天王祭とは違和感がある。これは、あくまでも上鈴木稲荷神社の境内社である須賀神社の祭典であるため。

大太鼓の音を合図に神輿が出御、市の無形文化財に指定されている鈴木囃子のお囃子とともに神幸行列がある。現在の神輿・太鼓は平成2年(1990年)作。

行列は、午前11時が神輿・太鼓の宮出し、17時が宮入り、五日市街道から玉川上水沿いの氏子地域を巡り、春を彩る壮大な光景として知られる。

また、元旦の初詣には、年明け直後の2-3時間程度、甘酒が振る舞われ、福引きも行われる。

当社とは西武多摩湖線をはさんで東隣に、堀端野中稲荷神社がある。当社崇敬者の団体、上鈴木成年親睦會は、堀端野中稲荷神社の祭典復興にも協力している。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、地域安全、家内安全、無病息災(公式HP
上鈴木稲荷神社 東京都小平市上水本町
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