鎌倉初期に祇園を勧請した牛頭天王、正月にはそれ以来の的神事
[住所]兵庫県小野市下来住町661
[電話]0794-62-6239

鍬渓神社(くわたにじんじゃ)は、兵庫県小野市下来住町にある神社。加古川西岸、鍬渓温泉の近く。御朱印は授与していないという。

鎌倉時代初期の建久年間(1190年-1198年)、当地で疫病が流行し、源範景が建久3年(1192年)に京の祇園社から御分霊を勧請、社殿を建立し、牛頭天王と称した。

その後この地を領した清和源氏の流れを汲む来住惟友が当社を厚く信仰した。

御祭神は素戔嗚命足摩乳命手摩乳命奇稲田姫命。開運、交通安全、厄除けの神として信仰されている。現在は、素戔嗚尊奉祀神社「全国清々会」に加盟している。

安土桃山時代の天正8年(1580年)、豊臣秀吉によって来住氏が滅ぼされ、当社の祭祀も一時断絶した。

しかし翌天正9年(1581年)、疫病が流行し、天正10年(1582年)に神託があり、現在地に遷座し、桑谷牛頭天王社と称し、再興を果たした。

明治になり、現社号に改称した。悪疫を払い、安泰を祈願する鎌倉時代からの神事、的神事が正月に執り行われる。

昔は騎射だったが現在は立射で、往時は、魔当株と呼ばれる7軒からそれぞれ男子1名が奉納したという。

今では株が廃止され、頭屋は氏子の6地区が順番に受け持って古式にのっとり施行する。1月2日の地起こしの儀に始まる。

1月7日、射手7名は神職・お客分・区長・宮総代・頭受人とともに頭屋に集まり、神酒と午餐を終えた後、的を先頭に当社へ向かう。

的は、直径6尺(約180センチ)の六角形で、黒と白とに塗りわけた同心円を描き、中心黒星は「鬼」の字を書いて塗りつぶしたもの。

射手7名がこれを射る。見事的中すればよし、当たらなければ手や棒で突き破る。やがて、その翌年神事を受け持つ地区代表者へ頭渡しの儀があって終了する。

7月には祇園祭と花火大会があり、10月には秋祭りがあって、女性御輿などが担がれる。

境内社に、太田社(猿田彦神天細女神)、恵比須大神、大歳神社、山之口大明神、稲荷社、天満宮(菅原道真公)、天照皇大神宮、豊受大神宮などがある。

【ご利益】
開運招福、厄災除け、交通安全
鍬渓神社 兵庫県小野市下来住町
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