平安期に祇園を勧請、ナマズに関する伝承、6月中旬になまずまつり
[住所]滋賀県高島市新旭町藁園2060
[電話]0740-25-2853

藁園神社(わらそのじんじゃ)は、滋賀県高島市新旭町藁園にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、由緒にあるナマズの意匠のある御朱印を頂ける。

創建年代は不詳。大津市瀬田の大神氏所有の寛平古図に藁園村牛頭社がある。

平安時代の寛平4年(892年)5月初寅日、民部輔元名と川瀬三九良頼重の両名が曽古奈志池のほとりに、祇園牛頭天王を勧請し、杉本神社と称したという。

鎌倉時代の建永元年(1206年)、社殿が再建され、佐々木盛秀が参拝。正安元年(1299年)、佐々木秀綱が参拝して祈願、佐々木氏の崇敬を受けた。

なお、正元元年(1259年)、地震をともなう大雨が続き、洪水となり、社殿が浸水した時、大鯰が現れたが、神主が退治したところ、たちまち雨がやんで晴れた。

社伝によれば、室町時代、後小松天皇の応永4年(1397年)、時の代官が不思議な霊夢を見、郷内協議の上、藁園の北西部、霊水の湧く池のほとりに社殿を建立したという。

御祭神は、素盞鳴尊。神紋は左三ッ巴。現在は素戔嗚尊奉祀神社「全国清々会」にも加盟している。

戦国時代の永正17年(1520年)、兵火により焼失し、7年後に再建された。その後も焼失し、慶長2年(1597年)に再々建された。

江戸時代前期の正保3年(1646年)、降雨が少なく農作物に害虫が異常発生したため、困って害虫駆除の祈願をしたところ、鯰が現れ害虫を食い尽くしてくれた。

村人は喜んで祭典を行って、神前に能楽を奉したといわれている。現在も境内には、大きな鯰の石造があり、他に鯰の絵馬や防災お守りなどがある。

当社の南に神宮寺として、薬師如来、昆沙門天を奉祀しているもと善光寺の諸仏堂がある。高島西国二十三番札所。

神仏分離により、明治5年(1872年)、現社名に改称、明治9年(1876年)には村社に列し、昭和14年(1939年)、幣帛料供進神社に指定された。

例祭は5月3日。当社には何かと鯰に関する由緒が多いが、現在、毎年6月中旬に鯰祭り(なまずまつり)がある。

鯰祭りの宵宮祭には「火まわし」といい、缶に火をつけて、児童が頭上で振りまわす行事がある。

境外社として、藤原鎌足を祀る鎌足神社があり、当社の神輿渡御の御旅所になっている。古老の話として一説に、河童の異称である「かわたろう」が訛り「かまたり」になったという。

【ご利益】
厄災除け、病魔退散、五穀豊穣
藁園神社 滋賀県高島市新旭町藁園
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