慶長期創祀の田中稲荷、元禄期に現在地に遷座し、伏見稲荷を勧請
[住所]東京都足立区東和2-5-24
[電話]03-3606-6843

北三谷稲荷神社(きたさんやいなりじんじゃ)は、東京都足立区東和にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

安土桃山時代から江戸時代初期の、豊臣秀吉から徳川家康が治世していた慶長年間(1596年-1615年)、名主の常七が当地を開墾して守護神として建立したのが始まり。

当初は村の北方の「水田の中」に建てられたため、「田中稲荷」と称された。現在も地元では当社を「田中稲荷」と呼び、親しまれている。鳥居の額にも田中稲荷神社とある。

その後、第5代将軍徳川綱吉の時代、元禄年間(1688年-1704年)に宝蔵寺が寄進した、現在地に遷座した。

その際、宝蔵寺の守神として、伏見稲荷の主神である宇迦之御魂命を勧請したという。そのため、当社は元禄年間の創建、とされるが、前述のように創祀は100年ほどさかのぼる。

『新編武蔵風土記稿』北三谷村の条にも「稲荷社」とあり、村の鎮守で、別当は宝蔵寺だったという。「末社。水神社」とあり、後述するように、現況に符合する。

東和は、江戸時代の蒲原村を中心とした地域で、蒲原北三谷土地区画整理事業により、 昭和40年(1965年)に旧東渕江村から「東」と、町内の親睦を願って「和」を付けた新しい地名。

例祭は9月27日で、例大祭。4年ごとに本祭があり、その間はかげ祭。かげ祭では子供神輿と山車が引かれる。本祭では宮神輿の巡行がある。

本殿寄りの二の鳥居は天明9年(1789年)に建立された。常夜燈は天保5年(1834年)に、手洗鉢は天保6年(1835年)に建てられたもの。

本殿入口の神狐は、寛永元年(1848年)に建てられたが、経年の破損が大きくなり、昭和55年(1955年)に再建された。台座は寛永元年のものが使われている。

昭和4年(1929年)には石灯籠が、昭和6年(1931年)には一の鳥居がそれぞれ建てられ、現在の拝殿は昭和12年(1937年)に建立されたもの。

昭和46年(1971年)に拝殿の大規模な修理が行われ、この際、本殿の覆堂も設けられた。

境内社に、水神宮(水波能売命)がある。江戸時代には古隅田川、綾瀬川を利用して、浅草正面から下肥が運ばれた。この水神宮では、その水運の安全が祈願された。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、家内安全、地域安全
北三谷稲荷神社 東京都足立区東和
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