江戸初期の創建、旧西宇喜田村の鎮守、9月例祭で葛西囃子、力石
[住所]東京都江戸川区北葛西4-24-16
[電話]03-3680-0025

宇喜田稲荷神社(うきたいなりじんじゃ)は、東京都江戸川区北葛西にある神社。近代社格では村社。御朱印は承っていないという。日付の墨書きのない、印刷書き置きのみの授与、とも。

安土桃山時代の慶長元年(1596年)、当地は後北条氏家臣だった宇田川喜兵衛定氏によって開墾され、後にこの宇喜田が地名となった。

江戸時代初期の寛永20年(1643年)、当社が創建された。御祭神は、豊受姫神

江戸時代前期の元禄年間(1688年-1704年)、西宇喜田村と東宇喜田村に分村し、当社は現在の宇喜田町・北葛西・西葛西・中葛西に相当する旧西宇喜田村の鎮守となった。

『新編武蔵風土記稿』西宇喜田村の条に、「稲荷社」とあり、「鎮守なり。寛永20年の勧請。本地十一面観音坐像長3寸許。末社水神」とある。

明治元年(1868年)、村社に列した。

周辺区画整理事業に伴い、昭和53年(1978年)より境内の土盛・社殿増改築・玉垣など施設整備工事が進められ、現在の景観になった。

例祭は9月27日。神楽殿で葛西囃子が奉納される。3月最初の午の日には初午祭があり、元旦の歳旦祭では、神楽殿で獅子舞・神楽が奉納される。

正参道は南面しており、東側にも参道がある。正参道の常灯明二基は江戸時代後期の文政8年(1825年)6月に再建されたもの。

手水舎の水鉢は、天保9年(1838年)に奉納されたもの。東参道の石鳥居は江戸時代中期の天明2年(1782年)4月に造立されたもの。

境内最奥には明治38年(1905年)建立の乾海苔創業記念碑、明治24年(1891年)建立の納石碑とともに、12基の力石が安置されている。力石は、区登録有形民俗文化財。

海苔は以前までこの地域の特産だったが、今では見る影もない。乾海苔創業記念碑の碑文の要旨は次の通りで、この地域の歴史の一端を垣間見させてくれる。
東京湾の海苔を製造販売するものは、荏原郡大森村だけだった。明治19年(1886年)、西宇喜田村の村長だった、故宇田川政休は田中小五郎と協力し、この事業を創設した。

百難を排して邁進し、村民を指導した結果、海苔採取が今日の繁栄を見るに至った。西宇喜田村の有志は碑を建て、二人の功績を百世に伝えようと、事情を熟知している橋本省吾に文を依頼し、碑文とした。
境内末社は、正参道鳥居の左手に黄金山神社(金山毘古神金山毘売神)、弁天社(市杵嶋姫神)がある。黄金山神社は石巻市の金華山黄金山神社を勧請したものだという。

なお、当社は、西葛西2丁目の小島八幡神社、中央4丁目の東小松川香取神社、東小松川3丁目の白髭神社、小松川3丁目の小松川神社、平井2丁目の白髭神社を兼務している。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、事業成功、産業振興、財運・金運(公式HP
宇喜田稲荷神社 東京都江戸川区北葛西
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