木津川南岸鎮座の鹿背山明神、境内に国神社合祀の春日社
勝手神社 京都府木津川市加茂町大野宮ノ谷
[住所]京都府木津川市加茂町大野宮ノ谷
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勝手神社(かってじんじゃ)は、京都府木津川市加茂町大野宮ノ谷にある神社。木津川南岸に鎮座する。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

当社の創祀・創建年代は不詳。飛鳥時代、文武天皇の御宇(697年-707年)、あるいは大宝年間(701年-704年)の創立とも。

往古より、江戸時代前期の寛永年間(1624年-1644年)まで鹿背山明神と称したという。しかし、古書類などが木津川洪水のため流失して、詳細は不詳。

当社の御祭神は、天大日孁女貴命天忍穂根命多久幡千々姫命。明治6年(1873年)7月、村社に列した。

境内には春日神社がある。当社の鳥居扁額にも「勝手神社・春日神社」と併記されている。本殿も二つ並列しており、表示もなく、どちらがどちらかは不明。

この春日神社が、『延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 山城国 相楽郡「岡田国神社」に比定される式内社(大社、月次・新嘗)の論社。

『山城相楽郡誌』によれば、式内社「岡田国神社」はもとは壱町久保と称する藪の近くに鎮座しており、岡田恭仁郷を鎮護する大社だったという。

いずれかの時期に木津川水害を憂い、今の地に遷座、当地にあった春日社と合併して春日社と称し、また国神社假借(いそろ)社とも称したという。

ただし、やはり古書類が洪水のため流失して詳細は不詳。壱町久保は、一町久保とも書き、大字大野に所在する。

加茂駅から当社に至る道路沿いにある「一丁久保」の地で、そこには、「式内岡田国神社旧社地」と刻した石碑があるという。

春日神社の御祭神は天児屋根命。合併した国神社、つまり式内社「岡田国神社」の御祭神は伝わらないということだろうか。

岡田の地には加茂里・久仁里が含まれ、久仁里(恭仁里)の鎮守として式内社「岡田国神社」が、加茂里の鎮守として岡田鴨神社があったという。

式内社「岡田国神社」の論社は他に、市内木津町大谷に式内同名神社がある。

なお、当社の境内末社は他に、市杵島姫社(市杵島姫命)・八柱神社(五男三女命)・海神社(大綿津見神)がある。

それら小祠の間に置かれた陶製の狛犬の表情がユーモラス。

【ご利益】
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勝手神社 京都府木津川市加茂町大野宮ノ谷NO2
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