南北朝期、誠阿上人を火攻めから救い、悪疫退散した不焼宮
[住所]大阪府大阪市旭区清水3-20-19
[電話]06-6952-2125

八幡大神宮(はちまんだいじんぐう)は、大阪府大阪市旭区清水にある神社。不焼宮(やけずのみや)とも呼ばれる。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創祀年代は不詳。飛鳥時代、天智天皇(在位661年-671年)の頃、現在地に宮寺があり、住民の藤原氏一族が祖神の春日大神を産土として奉祀していたという。

当地の近くに太子橋という地名が存在し、聖徳太子に関わる伝承もあり、相当古くから人が居住していたとされる。

南北朝時代の建武年間(1334年-1336年)、誠阿上人は厳しい修行の末、師の法明上人から郷里に戻り、寺を建てる許しを得た。

後醍醐天皇に下賜された天得如来と、男山八幡宮の宝物を拝領し帰途に着いた。しかし、これを同輩たちがねたみ、途中で待ち伏せ、盗賊に化け、如来を奪い取ろうとした。

誠阿は当地あたりにあった古堂に逃げ込んだが、同輩たちは古堂に火を放ち焼け殺そうとした。しかし、何度試みても火はすぐに消えた。

同輩たちは誠阿の徳の力に感心し、悔いて弟子になった。以後、この古堂は不焼宮(やけずのみや)と呼ばれるようになった。

また、当宮近くに住み、殺生を好み、神社仏閣を壊し、狼藉のかぎりを尽くした乱暴物が、神罰で悪疫に罹り、一族とともに死亡した。

しかし、今度は死霊となり、里人たちにとりつき、多くの人が羅病した。そこで誠阿は、男山八幡宮の御分霊を八幡神として当宮に奉斎。

7日の施餓鬼法要を営んで平癒を祈願し、死霊は退散した。そこで、従来の春日大神を従神とし、八幡大神を主神とした。

御祭神は、八幡大神・春日大神・蛭子大神。かつて馬場村の集落北端、字榎並に鎮座し、『摂津志』には、「三社神祠」とみえる。

馬場・般若寺・別所・上辻の鎮守で、現在の本殿は室町時代末期の手法を蛙股・肘木・斗に残し、最高の技法が用いられているという。

例祭は9月15日だが、現在は10月第2日曜日。佐太来迎寺から貫主以下が参拝し、神仏合体の祭典を執行する。太鼓枠、地車(だんじり)の巡行がある。7月第2日曜日には夏祭りがある。

拝殿の前の狛犬には江戸時代後期の弘化3年(1847年)銘がある。瓦材狛犬や、本殿階段脇にはカラフルな木像狛犬が安置されている。

上辻村出身の関西相撲の大関、松乃音の碑がある。

境内社に不焼稲荷社がある。また、当地から東に400メートルほどの清水5丁目、道を隔てて守口市に隣接する地に御旅所がある。

【ご利益】
火防、病気平癒、病魔退散、厄災除け
八幡大神宮 大阪府大阪市旭区清水
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