平安期の創祀とも、250年の歴史ある、暗闇のサカキ巡行「榊祭」
[住所]東京都昭島市拝島町1-10-19
[電話]042-544-0636

日吉神社(ひよしじんじゃ)は、東京都昭島市拝島町にある神社。拝島日吉神社とも。山王様と呼ばれ、親しまれている。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創祀・創建は不詳。平安時代、村上天皇の天暦年間(947年-957年)の創祀、あるいは創建ともいわれる。

江戸時代直前、安土桃山時代の天正年間(1573-1591年)、隣接する大日堂が再興される際、旧拝島村総鎮守山王社として現在地に建立されたとされる。

江戸時代中期、桜町天皇の寛保元年(1741年)9月5日、宗源宣旨を受け、山王大権現の称号を賜った。

その栄誉を記念して、氏子1人あたり毎月1銭の積立が始まり、その積立により明和4年(1767年)に社殿を再建・修理し、神輿を新造して第一回の祭礼を行った。

これが現在も毎年9月の例祭の前夜祭である榊の渡御、いわゆる榊祭として伝わっている。

現存する社殿、幣殿・拝殿・神楽殿・鳥居・神橋・石燈篭は、幕末の安政2年(1855年)の再建、新築だという。本殿はそれ以前の建立。

朱色が映える補修が行われた本殿の彫刻、拝殿格天井花鳥画70面、板壁絵2面、幣殿杉戸絵4面は市の有形文化財に指定されている。

御祭神は、大山咋命香山戸命羽山戸命。江戸時代までには山の神に鎮座していた八雲神社を合祀したという。

明治2年(1869年)の神仏分離によって現社号に改名し、密厳浄土寺と別れて独立した。

例祭は9月19日。先述の榊祭が有名で、都の無形民俗文化財に指定されている。サカキの巡行とも。

明和4年の『山王祭礼図絵奥書』に描かれた祭礼の様子では、先頭には榊の神輿、そしてお囃子を乗せた山車、御神輿が続いている。

このお囃子が現在、市の無形文化財に指定されている当社お囃子の始まりとされている。この中で、榊の神輿がいつしか独立して宵闇に行われるようになった。

榊の神輿がまず町内を練り歩き、後から通る神輿(宮みこし)の通り道の露払いを務める。町内を練り歩いてきた榊の神輿は午前4時すぎに境内に戻る。

そこでこの行事のクライマックスともいうべき榊取りが行われる。榊の神輿はあっという間にすべての枝がもぎ取られる。この榊の枝を取ると1年間、無病息災とされる。

例祭当日の13時からは宮みこしの神幸。宮みこしに伴う行列は『山王祭礼図絵奥書』の行列風景に基づき、できるだけ忠実に行われている。

この宮みこしは榊の神輿とは対照的に、静かに街中を進むのが常となっている。途中2-3回休憩をはさんで、宮みこしと行列は町中を約2時間かけて進む。

拝島町の加美(かみ)・奈賀(なか)・志茂(しも)の3ヶ町が交代で年番にあたり、その年の祭礼を取り仕切る。

榊祭が始まってから250周年を記念して、本榊より作った榊の守りブレスレット(腕輪御守)が頒布されている。

境内末社に、水神社(水波能毘売命)、諏訪社(建御中方命)、稲荷社(豊受毘売命)がある。

隣接する大日堂境域と当社境域は歴史的建造物などの旧態をよく保持した都内でも数少ない貴重な存在として、都の史跡に指定されている。

【ご利益】
家内安全、地域安全、厄災除け、無病息災(公式HP
日吉神社 東京都昭島市拝島町
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