諸説ある小坂神、源氏移封後は八幡、室町期の鰐口、社叢
[住所]長野県須坂市井上2578
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小坂神社(おさかじんじゃ)は、長野県須坂市井上にある神社。長電長野線の日野駅の南約3.4キロ。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東山道神 信濃国 高井郡「小坂神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

創祀・創建年代は不詳。御祭神は小坂神。よく分かっていないが、大和国の宇陀郡男坂神を勧請したとも伝わる。

その場合、鴨族の祖神・高角身命と考えられる。『日本書紀』神武紀に、男坂・墨坂・女坂という地名が登場する。

そのうち、当社の近くの墨坂神社(墨坂芝宮)は、大和国からの勧請が確実。また、近くには小内神社(小内神社小内八幡神社欅原神社)もある。

あるいは、社号小坂は、単なる地形からとられたものと考え、古代、当地を開拓した氏族が、その祖神を祀ったもので、単純に小坂神とする説もある。

当社の近くに金口という古代の住居遺跡があり、石器や土師器などの出土が多いという。

平安時代後半の11世紀半ば、清和源氏の源頼季・満実親子が国衙領であるこの地に移封され、井上氏を名乗り、八幡神(誉田別命)を勧請した。

井上氏は信濃源氏の祖となり、以降、小坂八幡と呼ばれ、近在の井上16郷の総社として崇敬された。通常は、八幡宮とのみ呼ばれた。

室町時代の応永21年(1414年)銘のある鰐口が伝わる。市内では最も古い作品で、現在では10月の秋の例大祭の際、公開される。

江戸時代後期の享和2年(1802年)に本殿が再建された。明治6年(1873年)、郷社に列し、大正7年(1918年)には県社に昇格した。例祭は10月10日。

境内には神農宮社の他、地区内に散在していた若宮社をはじめ9社が神社整理令によって移されたが、現在若宮社以外は不明である。

社叢は、北信平地部特有のケヤキの純林で、樹齢300-600年のケヤキが23本もあり、県下でも他に例を見ない壮観な森。市の天然記念物に指定されている。

【ご利益】
厄災除け、武運長久・勝運、安産、地域安全
小坂神社 長野県須坂市井上
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