往古よりの楢本神、十一面観音信仰、明治に激しい式内論争
楢本神社 石川県白山市下柏野町1
[住所]石川県白山市下柏野町1
[電話]076-275-0513 - 若宮八幡宮

楢本神社(ならもとじんじゃ)は、石川県白山市下柏野町にある神社。現在は若宮八幡宮の兼務社である。例祭は10月1日。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「楢本神社(加賀国・石川郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創立の年代は不詳。往古より楢本神としてこの地に鎮斎され、近郷において稀有の大社だったという。

御祭神は、伊邪那岐命伊邪那美命。後述の十一面観音とあわせて、白山の神、とも。上柏野、下柏野、小上、荒野柏野の4ヶ村の総社だった。

鎌倉時代の寛元年間(1243年-1247年)より、天台宗青蓮寺が別当として神勤したという。

江戸時代初期の元和元年(1615年)、巡見使の社参があった。江戸時代前期の寛文年間(1661年-1673年)、三村が分離、下柏野だけの鎮守となった。

元禄16年(1703年)、越前国逸見五郎兼雄が参籠したと伝える。また、もともと十一面観音を奉祀してきたとされる。明治になり、神仏分離により寺院に預けた。

明治39年(1906年)、神饌幣帛料供進社に指定され、明治41年(1908年)には境内に改めて観音堂を建立、遷座した。

この地は、手取川の氾濫地帯で、式内社「楢本神社」も遷座・分祀が頻繁に行われたという。

その結果、現在までに三社が式内社を称しているが、当社もそのうちの一つ。あとの二つは、市内の宮丸町上柏野町

明治期、特に当社は、宮丸町と激しく式内を争ったとされる。宮丸町が当社由緒を略奪したとの風聞があり、当社側が大いに憤激、警察沙汰になったともいう。

【ご利益】
家内安全、夫婦和合、子宝・安産、地域安全
楢本神社 石川県白山市下柏野町
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