鎌と杓の奉納習慣、母乳の出がよくなる甘酒、子育て地蔵
子安神社 静岡県浜松市東区白鳥町1350
[住所]静岡県浜松市東区白鳥町1350
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子安神社(こやすじんじゃ)は、静岡県浜松市東区白鳥町にある神社。子安明神などと称された。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「子倉神社(遠江国・長上郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では無格社。

東名高速道路の天竜川橋南、天竜川の堤防直下に鎮座する。西建生コンの社地に隣接している。

創祀・創建年代は不詳。御祭神は木花之佐久夜毘売命。例祭は4月15日で例大祭。

昔から子宝・安産の祈願に霊験があるとされ、その報恩に対して、男子が出生した時は55日以内に鎌を、女子が出生した時は33日以内に底に孔が空いた竹杓を奉納した。

これは、男の子は大きくなって立派な農民に、女の子は家事を切り盛るよい妻になるようにとの願いがあったとされる。

現在は、実物の奉納がなかなか難しいため、男子の場合は「鎌の絵馬」を、女子の場合は「竹杓の絵馬」を奉納する。

絵馬は、枠なしの杉板に文字、絵とも墨書とし、大きさは適宜でよいとされる。また、現在は白紙に描いた絵が願果たしの奉納物となっている。

4月16日ともされる大祭には、周辺の町村から妊婦や子供を背負う女性が続々と集まり、男性の参詣者の姿はほとんど見られない異様な景観だったという。

当日、拝殿横に設けられた「安産祈願所」では供え餅、洗米、神符、護符、腹帯などが与えられた。

また、「乳の素授与所」では甘酒を希望者に振る舞われた。この甘酒を飲むと母乳不足の人でも、霊験により乳がよく出ると信じられていた。

昭和14年(1939年)5月、天竜川改修工事のため、左岸河原地帯の集落、富田村字堤外中ノ町にあったのを現在地に遷座した。

この富田村字堤外中ノ町の旧地が、現在は磐田市笠梅に鎮座する子倉神社の旧地でもある可能性がある。

神社の境内の東にあるお地蔵様は子育て地蔵として信仰が厚い。
その昔、若い女の人が当社の東側の淵から身を投げた。この時、女性はお腹に子供を宿していた。

明くる朝、赤ん坊の泣き声を聞きつけた村人が笹藪の中で赤ん坊を抱いたお地蔵さまを見つけたという伝説がある。
市内には、東区子安町と天竜区佐久間町に同名の神社がある。

なお、式内社「子倉神社」の論社は他に、先の式内同名神社の他、浜松市東区神立町の蒲神明宮、浜松市南区飯田町の稲荷神社がある。

【ご利益】
子宝・安産・子育て
子安神社 静岡県浜松市東区白鳥町
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