伊勢内宮の「七栗御園」と温泉、長命水「榊の井」と湯立神事
[住所]三重県津市榊原町5073
[電話]059-252-0017

射山神社(いやまじんじゃ)は、三重県津市榊原町にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「射山神社(伊勢国・壱志郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。もとは射山の山腹8合目に鎮座した。射山は、湯山が転じたとされ、貝石山とも呼ばれる。射山を御神体山とする温泉の神。御祭神は、大己貴命少彦名命

伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)の御園として、「七栗御園」があり、この地に温泉が沸いて、古来「七栗湯」としてよく知られていた。

麓を流れる御湯之瀬(榊原川)の右岸に拝殿が、さらに南100メートルに一の鳥居があって、これら三点は一直線上に配置されていた。

南北朝時代、榊原氏が隆盛だった時期は、同氏一族の氏神として崇敬され、神紋に源氏車を取り入れている。

しかし、榊原氏没落後は惣住民の氏神に変わり、天正16年(1588年)3月15日、社殿を拝殿のあった現在地に遷した。

今も山腹8合目に御社跡が残っているという。

江戸時代には、湯之大明神、鎰取大明神、氏山御前などとも称された。末社には熊野権現、天照皇太神宮、牛頭天王、愛宕社の四社を祀った。

神社背後には神湯として、江戸時代に湯治場を栄えさせた湯元跡が、神湯館敷地内に残されている。

明治4年(1871年)、村社に列し、諏訪神社・伊豆権現・八幡神社など、村内各地の神社を合祀、現在までに下記の神々も奉斎している。

天照皇大神須佐之男命品陀和気命火産霊命彦火火出見命市杵島比咩命・速玉之男命・天津児屋根命底筒男命中筒男命表筒男命菊理比咩命級長津彦命五男三女命建御名方命大鷦鷯命猿田彦命

境内には、神殿、拝殿のほか、戦没者の霊をまつる英霊殿があり、榊原の地名の起源となった長命水「榊の井」は、道路を隔てて御手洗場にある。

第11代垂仁天皇の時、倭姫命を起源とする斎王の制度が、第26代継体天皇の皇女である佐佐宜郎女が斎祠の時、この「榊の井」に榊の枝を一晩浸し、神宮に献上したと伝わる。

この石碑に手洗場の清め水をかけると、字が上手になるとも伝承される。

毎年2月11日に、無病息災、家内安全の祈願として、温泉と長命水を沸騰させ、クマザサで沸騰した湯を参拝者に振り掛ける伝統神事「御湯」(湯立神事)がある。

【ご利益】
無病息災、病気平癒、身体壮健
射山神社 三重県津市榊原町
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