奈良期に青海首の祖神を勧請、遷座繰り返す、旧正月にからかい
[住所]新潟県糸魚川市青海762
[電話]025-562-2531

青海神社(おうみじんじゃ)は、新潟県糸魚川市青海にある神社。日本海ひすいラインの青梅駅の南約1キロ。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「青海神社(越後国・頸城郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社。

奈良時代の神亀3年(726年)、椎根津彦命の御分霊を勧請して奉斎したのが始まり。椎根津彦命の後裔が当時の久比岐国造である青海首だという。久比岐が後に頸城に変わった。

当初は寺平に鎮座していたという。現在は青沢神社(青澤神社)がある。また、現在は多賀明神がある、標高1221メートルの黒姫山山頂に鎮座していたとも。

また、青海駅の北にある東町公民館そばに、今でも古宮と呼ばれて旧跡が残る。

どちらにしろ、何度か遷座を繰り替えし、江戸時代に入り、幕府の庇護を受け、江戸時代後期の文久4年(1821年)、現在地に遷座した。

拝殿は入母屋・銅板葺・平入・桁行4間・正面1間向拝付で、本殿とともに、移転当時再建されたもの。

古くから神仏習合し、別当寺院として清源寺が祭祀を司ってきたが、明治になり、独立した。

明治6年(1873年)、村社に列し、大正6年(1917年)に郷社、大正10年(1921年)に県社に昇格した。

現在までに、主祭神を椎根津彦命とし、和産霊神倉稲魂神を配祀する。

産土神として地域の信仰も厚く、特に海運関係者から信仰され、境内の石灯籠などに「廻船中」と刻まれたものが散見できる。

小正月の神事は「青梅の竹のからかい」と呼ばれ、町を東西二つに分け、竹を引き合い、豊漁、豊作を占う奇祭として国の重要無形民俗文化財に指定されている。

境内近くで発掘された天神山姫塚経塚出土品が当社の所有になっており、県の文化財に指定されている。

式内社「青海神社」は当社の比定でほぼ間違いないと思われるが、上越市清里区青柳坊ヶ池の水嶋磯部神社が時に論社とされる場合がある。

なお、越後国の式内社には、蒲原郡にも同名の神社があり、加茂市の式内および当社と同名の神社、新潟市中央区の蒲原神社がその論社になっている。

【ご利益】
五穀豊穣、商売繁盛、海上・交通安全、大漁満足
青海神社 新潟県糸魚川市青海
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