奈良期に青海首の祖神を奉斎、平安期に賀茂を勧請、武将の崇敬
[住所]新潟県加茂市加茂229
[電話]0256-52-0671

青海神社(おうみじんじゃ)は、新潟県加茂市加茂にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「青海神社二座(越後国・蒲原郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では県社

奈良時代の神亀3年(726年)、青海郷を開拓した青海首一族が祖神の椎根津彦命大国魂命を奉斎して、現在地である加茂山の山麓に創建された。

青海郷は、田上五社川から三条井栗、保内までの23ヶ村で、「加茂のお明神さま」と親しまれた。市内一帯から多くの遺跡や古墳、平安時代の集落跡が発掘されている。

平安時代になり、当地は、京都の賀茂別雷神社(上賀茂神社)、賀茂御祖神社(下鴨神社)の神領となり、御分霊を勧請して合祀した。「加茂大明神」と呼ばれた。

安土桃山時代の慶長年間(1596年-1615年)以前、上杉氏の崇敬が厚く、神領が寄進された。

江戸時代になり、新発田藩主溝口氏も社領の寄進、本殿などを造営し、国土の平穏と五穀豊穣を祈願したという。

歩くと、鴬のさざなき音を発する鴬張り廊下が現存する。江戸時代中期の宝暦7年(1757年)、新発田藩7代藩主溝口直温の命により造営された。市指定文化財。

明治5年(1872年)、県内一号に県社に指定され、以来春季例大祭には県知事が参列した。

昭和36年(1961年)9月16日に襲来した第二室戸台風により、神域は大被害を蒙り、大杉が約200本倒れた。しかし、今なお亭々たる老杉に囲まれている。

これらの老杉は加茂町年寄浅野氏が34年間にわたって植林したもので、350年を経た現在も森厳の気は人の襟を正させる。

中でも爺杉(ジジスギ)は、「千年杉」「オキナスギ」とも呼ばれ、樹齢1000年、幹の太さ約635センチ、御神木として祀られている。

例祭は5月18日-22日で、春季例大祭。「加茂まつり」で知られる。21日の当日は御神幸行列が行われる。

母親が生後1年位の 乳児に色あざやかな産衣を着せて参加し、わが子の健やかな成長を祈願することから「乳母まつり」とも呼ばれる。

8月31日-9月2日までが秋季例大祭で、8月31日、9月1日の夜には奉納花火があがる。

1月14日に御粥神事が行われ、小豆粥を神前に供し、氏子崇敬者の安泰を祈願する。祭典後、小豆粥が撤下神鐉として振舞われる。

境内社に、貴船神社・稲荷社・猿田彦社・北野社・厳島社・廣瀬社・春日社・祓戸社・琴平社・諏訪神社・山神社・伊勢両宮などがある。

なお、式内社「青海神社」の論社は他に、新潟市中央区の蒲原神社がある。また、越後国の式内社には頸城郡にも同名の神社がある。

【ご利益】
子宝・安産、子育て、無病息災、健康長寿(公式HP
青海神社 新潟県加茂市加茂
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