水神を祀る「山王権現」、明治に合祀、昭和に復社、神仏習合へ
大祁於賀美神社 大阪府羽曳野市大黒496
[住所]大阪府羽曳野市大黒496
[電話]-

大祁於賀美神社(たけおかみじんじゃ/おおけおかみじんじゃ/おおおかみじんじゃ)は、大阪府羽曳野市大黒にある神社。太祁於賀美神社とも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 河内国 石川郡「大祁於賀美神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創祀年代は不詳。かつては現在地より北方の丘、葡萄山とよばれる頂上にあり、江戸時代までは山王権現と称していた。

現在でも氏子は当社を「山王権現」と呼んでいる。当社鎮座地は新旧ともに古市郡に属するが、これは郡境の変更に伴うもののようだ。

享和元年(1801年)刊行の『河内名所図会』に、「延喜式石川郡に属す。今山王と称し、此所の本居神とす」とある。

明治初年に村社に列したが、明治40年(1907年)11月18日、近隣の村社八幡神社、現在の壺井八幡宮に合祀された。

旧氏子の希望により、昭和30年(1955年)12月1日、天童山大黒寺の所有地を借用して再建された。

旧社地は当社合祀後に民間に売却され、土砂の採取場となったため、丘はほとんど消失している。

御祭神は水神である高龗神。旧地にしても、特段水を思わせるようなものはない。

東に二上山から葛城山が控え、これを水源として、それを遙拝する地とした、ともされるが、よく分からない。

また、当地は石川流域で早くから開けた土地であり、弥生時代の水田耕作に必要な水神を祀るという風習が残ったものともされる。

平成21年(2009年)、神社の管理が難しくなったようで、現在地の地主である大黒寺が当社社務を引き継ぐことになった。

19世紀にあれほど嫌われた神仏習合が、21世紀の現在、再び再開されるという、歴史の奥深さを示すものとして興味深い。

【ご利益】
五穀豊穣、身体壮健
大祁於賀美神社 大阪府羽曳野市大黒
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