奈良末期創建の式内論社、復元された千石船、式年の五年祭
[住所]岩手県大船渡市赤崎字鳥沢190-1
[電話]0192-26-4078

尾崎神社(おさきじんじゃ)は、岩手県大船渡市赤崎にある神社。赤崎尾崎神社とも。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「理訓許段神社(陸奥国・気仙郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

大船渡湾の東にある尾崎岬の港に面した山麓に境内があり、遥拝殿がある。本殿は後方の山上となる。湊には復元された千石船「気仙丸」が停泊している。

社伝によれば、奈良時代末期の延暦2年(783)に創建された。理訓許段神として、平安時代前期の仁寿2年(852年)8月7日には従五位下に叙された。

御祭神は、稲倉魂神海住神を配祀する。

江戸時代初期の寛永2年(1625年)に類焼に罹り、古文書・宝物をことごとく焼失し、それ以前の経緯は不詳。

ただし、藤原三代・葛西氏・伊達氏など、歴代の当地領主の崇敬が厚く、気仙郡総鎮守だったという。

明治5年(1872年)、郷社に列したが、制度の変更があり、明治7年(1874年)には村社となった。例祭は、3月16日が春季例祭、9月19日が秋季例祭。

五年祭と呼ばれる式年祭がある。神輿渡御、獅子舞や獅子頭、囃屋台などの巡行、海上渡御などがある。

東日本大震災で8年ほど空いたことはあるが、およそ4年に1回行われ、技術の伝承が図られている。

なお、式内社「理訓許段神社」の論社は他に、陸前高田市高田町の冰上神社がある。

停泊している「気仙丸」について、当地では往古より良質の漁場として知られており、それにともない、もともと高い造船技術があった。

これを生かして、かつて太平洋沿岸を往来した千石船を再現し、三陸・海の博覧会に出展するため、再現プロジェクトが平成2年(1990年)から進められた。

「気仙衆の心意気を示そう」と浄財が集められ、すぐに用材の切り出しが行われ、翌平成3年(1991年)2月には着工。

同年10月に完成した。平成4年(1992年)5月10日には進水。着工から完成までに動員された延べ人数は1500人、総工費7000万円。

【ご利益】
水難除け、大漁満足・商売繁盛、地域安全
尾崎神社 岩手県大船渡市赤崎
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