嶽比良神社の里宮か、1月8日に男根ぶら下げて舞う神楽の神事
御祭神社 東京都三宅村伊豆
[住所]東京都三宅村伊豆
[電話]-

御祭神社(ごさいじんじゃ)は、東京都三宅村伊豆にある神社。御朱印の有無は不明。

鳥居奥には満願寺があり、満願寺の境内右手斜面に当社の祠が祀られている。創祀年代および由緒は不詳。

嶽ノ平山の麓にあり、嶽ノ平山を背にする位置に祠があって、その通称、入らずの神山山頂にある嶽比良神社を遥拝する社、ともされる。

つまり、奥宮である嶽比良神社に対する、里宮が当社という位置付け。

当社の参道からの脇道は、嶽比良神社とも関係が深いと思われる神澤神社(神沢神社)に通じている。

神澤神社の御祭神は、『三宅記』にある、三島大明神事代主命)の三番目の后である佐伎多麻比咩命の八王子の中の、四番目「テヰ(テラヰ)」。弖良命(手間天神)である。

嶽比良神社の御祭神は、その一つ兄、三番目の「やす」にあたる夜須命。当社も豊受大神と、事代主命の眷属の2柱を祀るとされるから、夜須命のことかもしれない。

当社で何より有名なのは、毎年1月8日に行われる大祭、八日様。現地案内板には、日本のみならず、「世界的にも珍しい神事」とある。

この神事の起源は、箱根芦ノ湖から大蛇が三宅島に渡ってきた時、事代主命は着物を身に付けるいとまがなく、裸で大蛇に立ち向かったという故事に基づくという。

三島大神の大蛇退治の故事そのものは、『三宅記』に記載され、富賀神社后神社など、三宅島各地に伝わる。

当社の神楽は、この故事にならい、古い木彫りの面をつけ、古色蒼然たる木製の大きな男性のシンボル、つまり男根をぶら下げて、古式豊かに舞う。

その姿は、神話の島ならではの風情を彷彿とさせ、そのユーモラスな装束に村人はしばし時を忘れ、新しい年明けを祝うという。

1月8日は三島大神の命日とされている日。「御祭神社の神事」として、都の無形民俗文化財に指定されている。

立派な生殖器崇拝の奇祭であり、数多くの后を各島・各地に置き、子作りにも励んだ三島大神を顕彰し、今を生きる村民の子宝・子孫繁栄を祈願するもののようだ。

なお、境内のある鬱蒼とした森は椎の原生林で、伊豆諸島だけで見られる、国の絶滅危惧種に指定されているモスケミソサザイが観察できる貴重なバードウォチングのポイントだという。

【ご利益】
子宝、一族・子孫繁栄、五穀豊穣
御祭神社 東京都三宅村伊豆NO2
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