太宰府流罪の阿保親王・菅原道真ゆかり、御神木の楠、江戸期社殿
[住所]大阪府松原市阿保5-4-19
[電話]072-331-6153

阿保神社(あおじんじゃ)は、大阪府松原市阿保にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創建年代は不詳。菅原道真を御祭神とする。今では学業の神だが、社名は「あほ」ではなく、「あお」である。

道真が太宰権之師として九州に流されて行く時、浪速(大阪)にさしかかった。

道明寺の尼寺には叔母の覚寿尼が住んでいたので、一夜のおいとまごいを許され、往きも帰りもこの地を通り、休息した。

その後、当地に道真を祀る当社が創建された。ちなみに、道明寺に隣接して道明寺天満宮があり、道真はもちろん、覚寿尼も祀られている。

地名の「阿保」は第51代平城天皇の皇子である阿保親王がこの地に居住していたと伝えられているためによる。

母は葛井寺(藤井寺)出身の宿弥藤子で、『伊勢物語』で名高い在原業平の父親でもある。

当時、この地は丹北郡田坐と呼ばれ、水利の便が悪く、干害地だったため、農民たちは苦しんでいた。

親王は、邸宅の中庭の池を農民に開放し、これを灌漑用に改造、農業生産を奨励したため、当地は豊かになったという。

人々は親王の徳を慕って、邸宅の池を親王池、あるいは稚児ヶ池と呼ぶようになった。

阿保親王も道真よりも100年ほど前、太宰府に不在になっている。親王は道真と違い、後年、京に戻った。

しかし、京に戻った後も「承和の変」に関係したとされ、その後間もなく薨去したという。

現在は、本殿右側に阿保親王と厳島姫命を祀る親王社と厳島神社がある。

現在の本殿は、屋根が銅版で葺かれた一間社流造りで覆屋内にある。江戸時代初期の慶長13年(1608年)の再建を記す棟札があったと伝えられるが、現在では所在不明。

拝殿は、江戸時代後期の天保13年(1842年)に再建され、平成7年(1995年)に改修された。桁行5間、梁間2間、入母屋造りの本瓦葺で、中央1間を馬道にとる割拝殿の形式。

拝殿の天井には様々な樹木・草・花が描かれた珍しい花天井となっている。

本殿の裏には、御神木の楠がそびえる。高さ16メートル、幹周り4.5メートル、根株張6メートルで、市内の三名木の一つ。

例祭は、秋祭が10月第2日曜日、夏祭が7月第3日曜日、それぞれ前日に宵宮がある。

また、当社は、柴籬神社我堂八幡宮布忍神社阿麻美許曾神社屯倉神社とともに、1月1日から1月15日まで行われる開運松原六社参りの一社である。

【ご利益】
学業・受験合格、商売繁盛
阿保神社 大阪府松原市阿保
【関連記事】
大阪府の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、大阪府に鎮座している神社の一覧
阿保神社 大阪府松原市阿保の御朱印