夜間に屋台の練り、境内に一泊する播州でも例を見ない風習
[住所]兵庫県多可郡多可町中区中安田509-1
[電話]0795-32-1323

安田稲荷神社(やすだいなりじんじゃ)は、兵庫県多可郡多可町中区中安田にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。御祭神は、大国主命稲倉魂命武甕槌命

もとは、西安田字イヤガ谷に鎮座していたが、墓地に近いということもあり、南北朝時代の暦応3年(1340年)、西安田字長石ヶ谷に遷座した。

以来その地を字宮が谷と称すようになった。しかし江戸時代初期の元和3年(1618年)2月、火災により社殿が炎上した。

そこで、中安田の住民だった野中某により現在地に遷座されたという。一方で、この頃、氏子争いが激化、藩主池田輝政の裁決を仰いだ、とも。

以来数度にわたり、本殿・拝殿・鳥居の改修を行い、現在に至る。現本殿は、江戸時代後期の文政年間(1818年-1831年)期に再建されたもの。

随神門は、本殿よりも古い、江戸時代中期の正徳3年(1713年)の造立だった。しかし、老朽化が激しく、平成11年(1999年)に再建された。

明治7年(1874年)2月、村社に列し、大正12年(1923年)9月に神饌幣料供進社に指定された。

昭和52年(1972年)には、拝殿・本殿の改修が行われ、それを祝して稚児行列が執行された。

氏子地域は多可町中区、西安田・中安田・東安田・西脇市羽安町の4地区。

例祭は10月8日・9日だったが、現在は体育の日直前の土・日曜日。秋祭りで、宵宮の夜に屋台が宮入し、そのまま境内で一泊する。

翌日の夕方、本宮に下向するが、屋台が境内に一泊するという風習は、播州広しとと言えども他に例を見ない。

一説に、イヤガ谷から宮が谷への遷宮の故事に習ってとも、また、西脇市羽安町と中区中安田とを結ぶ羽山橋が、杉原川の増水により頻繁に流出していたこととも関係しているという。

ともかく、夜間の屋台の練りは、ライトアップされて、極めて幻想的な雰囲気を現出する。

境内社に、名越神社(三筒男命)・八幡神社(品太和気命)・天満神社(菅原道真)がある。

【ご利益】
商売繁盛、病気平癒、縁結び、事業成功
安田稲荷神社 兵庫県多可郡多可町中区中安田
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