道真伝説と等身大の御神像、境内に中臣酒屋連の式内・酒屋神社
[住所]大阪府松原市三宅中4-1-8
[電話]072-331-2510

屯倉神社(みやけじんじゃ)は、大阪府松原市三宅中にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

当地には古くから土師氏、後の菅原氏の祖神である天穂日命を祀る穂日の社があったという。

言い伝えによれば、大宰権帥に左遷され、九州へ向かう途中の菅原道真は祖先由来の当地を通り、穂日の社に無実を訴えたとされる。

昌泰4年(901年)のことである。ただし、府内には当地から大きく外れた松山神社服部天神宮などの地にも道真伝説があり、真相は不明。

直接現在に連なる由緒としては、平安時代の天慶5年(942年)、河内国丹北郡依羅三宅郷に道真を祀ったのに始まる。

現在までに御祭神は、菅原道真・須佐之男命品陀別命

現在の鎮座地は畠山氏の国人衆である三宅氏の居城跡ともされる。三宅天満宮と称していたが、明治の頃より現社号を称するようになった。

例祭は10月1日。毎年3月上旬の土・日曜日には、天神・天満宮らしい梅まつりが開かれる。7月下旬には夏祭りがあり、境内には露店が並ぶ。

当社は、阿保神社柴籬神社阿麻美許曾神社我堂八幡宮布忍神社とともに、1月1日から1月15日まで行われる開運松原六社参りの一社である。

本殿に神像として、総高99.7センチ、総幅128.3センチ、膝張78センチのほぼ等身大の菅原道真像が安置されている。

道真が大宰府で自らの姿を鏡に映して彫り、縁ある当地に送ったとの伝承がある。

この他にも近衛信尋自画「渡唐天神像」、後陽成天皇御筆とされる「菅原道真画像」、近衛基熙筆「南無天満大自在天神」名号など、天神信仰にちなむ文化財が多く残されている。

境内社に酒屋神社、末社に天津神社・日吉神社・大物主神社・素盞嗚神社・天照大神社・琴平神社・市杵島神社がある。

このうち、酒屋神社は『延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 河内国 丹比郡「酒屋神社」に比定される式内社(小社、鍬靫)。

もともと、現在の三宅中6丁目2-2に鎮座していたが、明治40年(1907年)に当社境内に移された。御祭神は津速魂命。

『先代旧事本紀』神代本紀によれば、津速魂命は神皇産霊尊の子。その十九世孫に中臣酒屋連が出る。中臣の一族。

旧社地の400メートル北を南限とした弥生時代の瓜破遺跡がある。この遺跡は、摂津国住吉郡の楯原神社と当社の間に存在した集落となる。

また、旧社地には酒蓋池や酒屋井があり、酒造と関連していたと考えられる。現在地、および旧社地の北西3キロ弱ほどのところに、酒と縁深い中臣須牟地神社がある。

酒屋権現と呼ばれ親しまれて、旧地にはすでに消滅した権現山古墳があったが、この名称は酒屋神社に由来する。

なお、『延喜式神名帳』には山城国綴喜郡にも「酒屋神社」が記載されている。

【ご利益】
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屯倉神社 大阪府松原市三宅中
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