甲府盆地の湖沼を「さいて」水を涸らせた神、幕末社殿と彫刻
佐久神社 山梨県笛吹市石和町河内80
[住所]山梨県笛吹市石和町河内80
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佐久神社(さくじんじゃ)は、山梨県笛吹市石和町河内にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 甲斐国 八代郡「佐久神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

社伝によれば、第21代雄略天皇元年3月の創立。

縁起には「往古甲斐一面湖水なりし時、岩裂根裂の2神が相謀りて水路を開き岩石を除いてこの国を開裂せり」「左右に岩裂・根裂の2神配祀し佐久神社と称せり」とある。

あるいは上古、当地の甲府盆地が湖沼の時、天手力雄命が大岩を裂いて水を涸らし、現在の地となしたので、当国開梱の祖神として、一国の中央の当地に奉斎したとも。

境内には、拝殿前に円柱形の要石(かなめいし)が安置されている。この石は甲斐国の中央の標目として立てられたと伝えられている。

現在までに当社の御祭神は、岩裂神・根裂神・天手力雄命。

現在の社殿は、幕末の文久2年(1862年)に改築されたもので、梁行三間、桁行三間の総欅唐破風造、檜皮葺。

江戸期神社建築の優れた技法を集め、屋根組みと彫刻の造形美はその極致に達しているとされる。神額を含め、県指定有形文化財。

例祭は、春季大祭が4月3日、秋季大祭が10月16日で、現在は町指定無形文化財になっている砂原太々神楽が奉納される。

境内には他に、丸石の猿田彦神や石祠、戦没者慰霊碑が並ぶ。

式内社「佐久神社」の論社は他に、甲府市の当社および式内同名神社がある。

【ご利益】
地域安全、身体壮健、健康長寿
佐久神社 山梨県笛吹市石和町河内
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