飛鳥朝の創建、江戸初期の本殿、江戸中期の摩耗した狛犬
神部神社 山梨県北杜市須玉町小尾3805
[住所]山梨県北杜市須玉町小尾3805
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神部神社(かんべじんじゃ)は、山梨県北杜市須玉町小尾にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 甲斐国 巨麻郡「神部神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創立は飛鳥時代、文武天皇の大宝元年(701年)3月15日。御祭神は、天手力男命誉田別命広國押武日命諏訪大神

旧小尾御門神戸東小尾和田黒森の総鎮守で、社名は蔵王大権現、神門社と称したこともあったという。

それよりも前、第10代崇神天皇の御代、神戸があったので、神部と呼ばれたという。また、日本武尊が東征の途上、東小尾で湯治し、当社前を通ったと伝わる。

大宝元年の創立は社殿の創建で、創祀はもっとさかのぼり、古くからの聖地だったことが考えられる。

武田家は小尾街道を開き、北辺の守神として当社を信仰し、神像・鏡を奉納したと伝わる。

徳川家は、社領3斗6升を寄進した。現在の本殿は、江戸時代初期の慶長18年(1613年)に建立されたもの。県指定有形文化財。附りとして、棟札4枚、金銅蔵王権現懸鏡一面。

大きな吹抜けの覆屋に、三棟の一間社流造りの社殿が並ぶ。その内、正殿(本殿)は中央に、他の二棟(諏訪・岩神)より高く造られ、土台が三段に積まれている。

御神木の檜木は、目通り3丈あまりあったが、幕府の命で寛政年間(1789年-1801年)に江戸聖堂の、また文化年間(1804年-1818年)に駿河浅間神社の用材として伐採された。

その静岡浅間神社の拝殿は現在、日本一の規模とされる。その切株跡に現在、石祠を建立して、大宝社と称し、祀られている。

拝殿前にユニークな様子の狛犬が安置されている。江戸時代中期の享保10年(1726年)に寄進されたもので、相当摩耗しているため、滑らかな外観になっている。

明治になり、旧名に復した。例祭は5月1日と11月25日。1月15日には鳥追筒粥式が行われる。慶長年間(1596年-1615年)から伝わる。

前夜の1月14日から参籠し、粟粥を煮て、葦茎を割り中に入れ、粟粥数の多少によってその年の豊凶を占うもの。

なお、式内社「神部神社」の論社は他に、南アルプス市寺部南アルプス市下宮地の当社および式内同名神社、北杜市の熱那神社白山神社、韮崎市の南宮大神社がある。

また、山梨郡の式内社にも「神部神社」があり、甲州市山梨市に式内同名神社がある他、笛吹市春日居町の賀茂春日神社が論社。

【ご利益】
身体壮健、厄災除け、武運長久・勝運
神部神社 山梨県北杜市須玉町小尾
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