大同年号や貞観6年銘のある石鳥居、新羅義光が合祀し崇敬
宇波刀神社 山梨県北杜市明野町上手937
[住所]山梨県北杜市明野町上手937
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宇波刀神社(うゆとじんじゃ/うわとじんじゃ)は、山梨県北杜市明野町上手にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 甲斐国 巨麻郡「宇波刀神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

創建年代は不詳。貞観6年(864年)の銘がある石華表があり、それ以前の創建だと考えられている。

御祭神は、建御名方命伊弉諾命伊弉冊命。読みは「うゆと」とされるが、「うわと」が正しいか。地名の上手は「うえで」というが、「うえど」「うわど」とも。

式内社「宇波刀神社」は、『日本三代実録』貞観8年(866年)3月28日の条において、従五位上に叙せられている。

寛治7年(1093年)、新羅三郎義光(源義光)が当国へ任官の際、素盞鳴命倉稲魂命の二神を勧請・合祀し、社領地を寄進したという。甲府市の同名神社でも、源義光に関する由緒がある。

明治6年(1873年)、郷社に列し、明治40年(1907年)、神饌幣帛供進社に指定された。

昭和55年(1980年)4月、拝殿の改築と神楽殿を新築した。例祭は4月10日、現在は4月第2日曜日。

先の貞観6年の銘がある石華表、つまり石鳥居は、実際には平安時代末から鎌倉時代初頭の建立とされる。高さ2.2メートル、幅1.9メートルとやや小ぶり。

県内最古ともいわれ、県指定文化財になっている。台風や地震で、何度か倒壊したらしく、現在、鳥居の一部は新しく作り直されており、古い部品は当社に保管されている。

柱には、貞観6年という銘や、古い部品には806年-810年の「大同」年号も刻まれているといわれるが、これらは実際には江戸時代に追刻されたものだという。

全国にある、平安期まで遡れる古い石鳥居がいずれも山岳信仰に関連していることから、当社も金峰山信仰との関わりが指摘されている。

なお、式内社「宇波刀神社」の論社は他に、先の甲府市と、韮崎市に当社および式内同名神社、甲府市美咲の御崎神社がある。

また、八代郡の式内社に同音の「表門神社」があり、市川三郷町甲府市の式内同名神社、甲府市の五社神社、市川三郷町の正一位浅間神社がそれぞれ論社。

さらに、美濃国安八郡にも同名の式内社があり、安八町の「うばと」と神戸町の「うわと」がそれぞれ論社。

【ご利益】
武運長久・勝運、家内安全、厄災除け
宇波刀神社 山梨県北杜市明野町上手
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