鏡を磨き上げ完成させる麻気神、東面する本殿、神宮寺の観音堂
鏡作麻気神社 奈良県磯城郡田原本町小阪244
[住所]奈良県磯城郡田原本町小阪244
[電話]0744-32-2391 - 池神社

鏡作麻気神社(かがみつくりまけじんじゃ)は、奈良県磯城郡田原本町小阪にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「鏡作麻氣神社(大和国・城下郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では村社。

創建年代は不詳。御祭神は、天麻比止都禰命(天目一箇命)とされるが、物部氏で鏡作部であることは確実なため、天糠戸命であろう。

天糠戸命は石凝姥命の父にあたり、麻気神とも呼ばれる。麻気とは、鏡を磨いて完成させることを意味するという。

石凝姥命は「伊多」、板であり、鏡を鍛えて伸ばしていくこと。娘が鍛え伸ばし、父が完成させる、という鏡造りの構図となる。

宮古の鏡作伊多神社には、鍛えた金属を引き延ばす、怪力の(女)神の伝承が残る。保津にも鏡作伊多神社がある。

近くには、物部氏のルーツの一つかもしれない石見国からの移住を示すような石見という地名があり、鏡作神社がある。

この鏡作神社が、今はこの地域でも中核神社の一つになっている鏡作坐天照御魂神社を含め、近辺の鏡作社の元宮かもしれない。

また、当社の本殿は東面しているという。その方向には、穴師坐兵主神社があり、やはり製鉄など技術、氏族の関連が指摘される。

明治初年まで、境内に神宮寺が南面して、西に本地堂(現 観音堂)、その東に薬師堂があり、それぞれ十一面観音菩薩立像、薬師如来像が安置されていた。

この観音堂は、田原本御佛三十三ケ所巡礼の第11番。当社の境内社に、的場神社・白山神社があり、金毘羅石碑などもある。

なお、当社から南西方向に、八尾の鏡作坐天照御魂神社と宮古の鏡作伊多神社が直線上に並んでいるとも指摘される。

【ご利益】
事業成功、産業振興、諸願成就
鏡作麻気神社 奈良県磯城郡田原本町小阪
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