七夕の地、日本で初めて七夕の儀式が行われた地、式内の旧地・元宮
[住所]奈良県葛城市太田1371
[電話]0745-48-2811 - 葛城市商工観光課

棚機神社(たなばたじんじゃ)は、奈良県葛城市太田にある神社。通称は「たなばたさま」、棚機宮とも。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。置始氏や倭文氏などの伴造が半島や大陸から機台に組み立てられた立体的な機である「棚機」を導入。

その神として、天羽槌雄神や下照比売命を奉斎する中で、大陸の習俗だった機織り技術の向上を願う儀式も取り入れ、日本最初の棚機の儀式が行われたという。

つまり、「機台付の機とそれを織る織女」「オトタナバタの説話」「七夕儀礼」などが組み合わさり、今に連なる「七夕」の始源となる。

由緒も不詳だが、字名の「七夕」は当社に由来するもので、当地は葛木倭文坐天羽雷命神社の旧地とされる。また、博西神社の元宮ともされる。いずれも倭文氏や倭文神社とゆかりが深い。

御祭神は棚機神、つまり棚機姫命のことか。倭文神社と同様、棚機神を祀る式内社も少なくなく、尾張国山田郡には「多奈波太神社」があり、現在、名古屋市北区金城に鎮座している。

機織り女は、神の一夜妻。水辺で神衣を織りながら神の来訪を待ち、神妻となる巫女が神格化された。美しい話、というよりは、権力と愛欲のどろどろの現実だったと思われる。

そうした中で、多くの女性たちが虐げられてきた、その怨念を慰めるための社でもあったのではなかろうか。

葛木倭文坐天羽雷命神社が現在地に遷座した後、おそらくは地元の方々により、そうした伝統や恐れから、細々と維持されてきたのが当社。

現在では、いわば七夕発祥の地であり、毎年7月7日には「七夕祭り」が賑やかに行われている。近年では獅子舞の奉納などもある。

【ご利益】
諸願成就、良縁・縁結び
棚機神社 奈良県葛城市太田
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