宇佐の大和奉遷の際に薬園の庄に鎮座した国史見在社、安土期の本殿
[住所]奈良県大和郡山市材木町32
[電話]0743-53-1355

薬園八幡神社(やくおんはちまんじんじゃ)は、奈良県大和郡山市材木町にある神社。地元では「やこうさん」と呼ばれ親しまれてる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

奈良時代、聖武天皇の勅命により、東大寺大仏の鋳造が完成した天平勝宝元年(749年)に、 東大寺大仏の守護神として宇佐八幡神を勧請したという。

『続日本書紀』によれば、同年12月18日、宇佐八幡神を平群郡に迎え、27日に京に入り、京南の梨原宮に新殿を造って神宮とした。これが当社の起源である。

御祭神は、八幡大神・比咩大神。現在、鳥居の横に「国史現在社薬園八幡神社」の石碑がある。

これは上述の記述の他、「於南藥園新宮大甞。以因幡爲由機國。美濃爲須岐國」などともあり、国史見在社とされる。

京入りの前日、和州薬師寺門前の休ヶ丘で一泊した。その地に創建されたのが現在の郡山八幡神社とされる。また、生駒市の高山八幡神社も同様の由緒を伝える。

「梨原」は、かつて広大な薬園があったとされる地で、「薬園の庄」とも呼ばれていた。当社号の由来で、現在も薬草が植えられている。薬草見本園である。

翌天平勝宝2年(750年)、今の当社御旅所の地である清澄荘薬園に遷座した後、戦国時代の延徳3年(1491年)、郡山城築城に伴って現在地に遷座した。

本殿は、一間社隅木入春日造、桧皮葺、桁行1.6メートル、梁間1.8メートル。前面に隅木を入れ、正面側に縁高欄をめぐらし、前面に九段の木階をつける。

江戸時代中期の宝暦9年(1759年)に改築されたが、要所に極彩色、渡金金具を打ち付けるなど桃山時代再建の名残をとどめている。県指定文化財。

例祭は10月12日。7月15日・16日に夏祭がある。

境内社に、御祖神社・春日神社・高良神社・媛神社・塩釜神社などがある。狛犬は、オスとメスがはっきりわかる珍しいタイプ。隣接して、薬園寺がある。

【ご利益】
病気平癒、医薬業、厄災除け
薬園八幡神社 奈良県大和郡山市材木町
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薬園八幡神社 奈良県大和郡山市材木町の御朱印