江厨・江首、河内湖の海産物荷揚げ場、クスノキと北隣に謎の大伽藍
[住所]大阪府東大阪市御厨1-4-29
[電話]06-6781-8252

御厨天神社(みくりやてんじんじゃ)は、大阪府東大阪市御厨にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 河内国 若江郡「意支部神社」に比定される式内社(小社)の論社。

正式には天神社のみ。読みは、「あまつかむやしろ/あまつかむのやしろ」などとも。御祭神は、大国主命少名彦命

創建年代は不詳。『延喜式』内膳司に「造雑魚鮨十石・味鹽魚六斗河内国江厨所進」とある江厨は当地のこと。

また、『新撰姓氏録』河内国皇別に、「江首、江人附彦八井耳命七世孫来目津彦大雨宿禰大碓命之也」とある江首(えのおびと)は当地に関連する。

里伝には、文武天皇の吉野行幸の際、当地より供膳したので御厨の名を賜ったという。

また、称徳天皇が由義宮を造り、西京と称した時、御厨を設置した所とも。河内湖の海産物の荷揚げ場だったともいう。

古くは御厨神社とも呼ばれ、一樋明神、あるいは御厨子明神とも。ある資料では、この御厨神社は、「式内社の選に洩れる」とあり、当社の式内比定の否定材料になっている。

他の論社に、市内長田の長田神社があるが、「意支部神社」は由緒や関係氏族など不詳で、比定が困難な状況が現在に至るまで続いている。

例祭は10月18日。当日と翌日にはだんじりが出る。7月18日が夏季大祭。

当社の北に寺内、北坊、門屋小路、中小路、出口などの地名が残っており、往古、当社の北に接して大伽藍があったが、その名は不詳。

『大阪府史蹟名勝天然記念物』によれば、この寺の本尊は伝聖徳太子作の薬師如来で、大和国秋篠寺に移したという。

秋篠寺の石燈は当社前のものと同形、また紋章もともに巴で、双方の関連を示している。

当社で有名なのはクスノキ。市の天然記念物に指定されており、樹高は不明も、幹周6メートル、推定樹齢900年とされる。その下には楠神社が祀られている。

日本最大のクスノキは、鹿児島県姶良市の蒲生八幡神社にあるもので、幹周24メートル。府内最大は、門真市の三島神社で、幹周12メートルほどとされ、当社の含め、倍数になっているのが興味深い。

元禄10年(1697年)銘の石燈籠もある。枚岡神社から移築された能舞台もあるが、近年演能がなく、毀損しているとも。

境内社に、須賀神社・愛宕神社・水神社・智葉神社・稲荷神社がある。

【ご利益】
病気平癒、健康長寿、五穀豊穣・商売繁盛
御厨天神社 大阪府東大阪市御厨
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