旧松庵村の鎮守、昭和に中高井戸の稲荷と合併、狐のミイラの祠
[住所]東京都杉並区松庵3-10-3
[電話]03-3332-4856

西高井戸松庵稲荷神社(にしたかいどしょうあんいなりじんじゃ)は、東京都杉並区松庵にある神社。近代社格では無格社。

創建年代は不詳。松庵村が開村した江戸時代初期の万治年間(1658年-1660年)以降、当地に創建された天台宗円光寺の境内に鎮座した。

御祭神は稲荷神としての受持命(うけもちのみこと)。旧松庵村の鎮守として崇敬された。

『新編武蔵風土記稿』多摩郡松庵村に稲荷祠とあり、「上屋二間二二間半内ニ小祠ヲ置社前ニ鳥居ヲ建村内ノ鎮守ニシテ例祭ハ期日ヲ定メズ」とある。

境内入口に元禄3年(1690年)11月、元禄6年(1693年)の二基の塔があり、前者に「武州野方領松庵新田」と刻まれている。

明治維新になり、円光寺は廃寺となった。現在も、円光寺の歴代住職の墓がある。

その墓碑には、元禄9年(1696年)、享保8年(1723年)、元文3年(1738年)、宝暦10年(1760年)、文化4年(1807年)の没年銘がみられる。

中央にある五輪塔は、地元の人々が、歴代住職の霊を慰め、手厚く供養するために昭和40年(1965年)にこの墓地を整備した際建てたもの。

昭和9年(1934年)に、隣村である中高井戸村の鎮守の稲荷神社を合祀し、以後現社号を称している。昭和10年(1935年)には社殿を改築した。

鳥居の左側に狐のミイラを祀った小さな祠がある。昔、円光寺のそばの大きな築山に狐が穴を掘って子狐を育てていた。

しかし明治30年(1897年)ごろ、円光寺が廃寺となり、築山を取り去ることになった。

そのため親狐は子狐と別れなければならなくなり、その悲しみのあまり前足をくわえたままの姿で拝殿の床下から発見された。

そこで昭和36年(1961年)、末社として、古来からお稲荷様のお使い姫として言い伝えられているこの狐を祀るようになったという。

現在、ほこらの前には、奉納された大小さまざまな狐の置物がたくさん並べられている。

例祭は9月15日。現在は、下高井戸浜田山八幡神社の兼務社で、当社の御朱印も下高井戸浜田山八幡神社で頂ける。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛・家内安全・地域安全
西高井戸松庵稲荷神社 東京都杉並区松庵
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西高井戸松庵稲荷神社 東京都杉並区松庵の御朱印