利根川沿いの低地に鎮座する式内論社、男沼・女沼から生じた地名
白髪神社 埼玉県熊谷市妻沼字女体1038
[住所]埼玉県熊谷市妻沼字女体1038
[電話]048-571-2939

白髪神社(しらひげじんじゃ)は、埼玉県熊谷市妻沼女体にある神社。社名の読みは、「しらが」「しらひげ」「しらがみ」とも、あるいは髪ではなく髭となり、「しらひげ」とも。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 播羅郡「白髪神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では無格社。

妻沼の地は、かつて利根川の乱流地帯だった。口碑によると、利根川が繰り返し流れを変えるうちに、上下に同形の大きさの沼が生じた。

上に男体様を祀っていたので「男沼」、下に女体様を祀っていたので「女沼」と称するようになったという。

一方、妻沼聖天様宮の縁起によれば、昔、伊弉諾伊弉冉の2柱の神が鎮座したために、女沼・男沼と称したという。

いずれにしても、当社の鎮座地名である女体は、この「女沼」に由来するものだあろう。

『新編武蔵風土記稿』幡羅郡では、「稲荷白髪社」とあり、白髪社が当社一社だけであるため、式内社として比定している。

しかし、地形的にみて低地である現在地に往古から鎮座していたとは考えづらいという指摘が多い。

『大日本史』では、「白髪社、今妻沼村に在り、白髪明神と称す。大我井森に在り、後今の地に遷る」とある。

大我井の森とは、当社鎮座地南方の微高地にある聖天山歓喜院の境内一帯を指す。式内社「白髪神社」の論社である大我井神社がある。

女体様が座す女沼を切り開いて耕地とし、村落を形成していく中で、村の鎮守としての稲荷が祀られ、さらに大我井の森から白髪社を勧請した、とも考えられる。

御祭神は、白髪武広国押稚日本根子命(清寧天皇)・天鈿女命猿田彦命倉稲御魂命

二間社の本殿には、向かって右に白髪明神像、左に稲荷明神像がそれぞれ奉安されている。赤々とした鳥居が稲荷を象徴している。

社標には、左には「高岡稲荷神社」、右には「式内白髪神社」とある。現在は極めて小ぢんまりとした森に、小さな社殿が建つ。

御朱印の有無は不明。本務社の深谷市江原の冨士神社に連絡すれば、頂ける可能性があるという。

なお、式内社「白髪神社」の論社は、大我井神社の他、市内東別府の東別府神社、深谷市東方の熊野大神社がある。

【ご利益】
水難除け、厄災除け、商売繁盛
白髪神社 埼玉県熊谷市妻沼字女体
【関連記事】
埼玉県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、埼玉県に鎮座している神社の一覧