郷地村の鎮守、別当は安楽寺、江戸中期に正一位に進む、稲荷を合祀
久伊豆社 埼玉県鴻巣市郷地351
[住所]埼玉県鴻巣市郷地351
[電話]048-542-6445

久伊豆社(ひさいずしゃ、久伊豆神社)は、埼玉県鴻巣市郷地にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。御祭神は、大己貴命。境内に残る最も古い石造物は、江戸時代前期の元禄13年(1700年)銘の灯籠である。

当地は、元荒川左岸の低地にあり、江戸時代初期は郷地村と称して一村だったが、元禄年間(1688年-1704年)までに上・下に分村した。

その後も一括して郷地村と呼ばれることも多かったが、明治7年(1874年)、再び上下が合併し、一村となった。

『新編武蔵風土記稿』上郷地村の項に、「久伊豆社村の鎮守とす、安楽寺持」とある。

この当社別当の安楽寺は、当社の西方250メートルほどの所にある真言宗の寺院で、開基年代は不詳だが、本尊の薬師如来像は寛永年間(1624年-1644年)に寄進されたもの。

当社の拝殿内には「正弌位久伊豆大明神」の木製額が掛かり、江戸時代中期の享保7年(1722年)、神祇管領吉田兼敬により正一位に叙された。

明治になり、安楽寺から離れ、明治6年(1873年)、村社に列した。明治42年(1909年)、字小宮の無格社稲荷神社(倉稲魂命)を合祀した。

大正5年(1916年)、社前が狭隘だったため、社殿を後方に7メートルほど移した。昭和7年(1932年)には御大典記念として、社務所を建設した。

例祭は9月15日。1月1日に歳旦祭と交通安全祈願祭が、2月17日に祈念祭と入学児童奉告祭が行われる。境内社に、天神社・稲荷社がある。

なお、「鴻巣市の久伊豆社は式内論社」とされる場合があるが、これは当社ではなく、笠原に鎮座する同名の神社のこと。

【ご利益】
地域安全、家内安全、五穀豊穣、縁結び
久伊豆社 埼玉県鴻巣市郷地
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