高塙・高鼻氏ゆかり高塙郷鎮守の高塙明神社、明治期に式内主張
足立神社 埼玉県さいたま市浦和区上木崎5-11-1
[住所]埼玉県さいたま市浦和区上木崎5-11-1
[電話]-

足立神社(あだちじんじゃ)は、埼玉県さいたま市浦和区上木崎にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 足立郡「足立神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

第9代開化天皇の御代の創建と伝わる。江戸時代までは高塙明神社と呼ばれた。

この「高塙」というのは、中世、浦和市から大宮市にまたがる「高塙郷」であると考えられ、この郷の鎮守として祀られたのが当社であると思われる。

この時期、当社に関与した氏族は、当郷を開発した在郷地頭の高塙(高鼻)氏だとされる。

高塙氏の初見は、『吾妻鏡』文治5年(1189年)7月19日条の「高鼻和太郎」。

他に浦和本太鎮座の氷川神社に伝存する宮殿の宝徳3年(1451年)9月24日の墨書銘「大檀那高埇左衛門盛影」「地頭たかはな殿」がある。

『新編武蔵風土記稿』上木崎の項に、「高塙明神社 祭神猿田彦命、當村及び下木崎・北袋・瀬ヶ崎・針ヶ谷五村の鎮守なり、境内に観音堂あり」とある。

祭祀圏は中世の高塙郷から縮小したものの、江戸期も当郷の有力社として存在していたことがうかがえる。

御祭神は、猿田彦命の他、現在までに、天鈿女命天照皇大神倉稲魂命・別雷命・菅原道真公・木花咲姫命応神天皇大山祇神事代主尊・清和天皇を祀る。

祀職は、高鼻鎮座の大宮氷川神社社家『東角井家日記』文化7年(1810年)10月の記録によると、「木崎村高鼻村大明神禰宜村田近江殿」とある。

村田近江は、吉田家配下の氷川神社社家触れ下。

明治期になると、上木崎村の副戸長を努めた市川治右衛門は、当社を延喜式内社であると主張し、社名変更を行った。

式内社「足立神社」の論社は他に、市内西区飯田の同名神社、北区宮原町の加茂神社、鴻巣市笠原の久伊豆社がある。

例祭は10月6日で、秋季大祭。7月6日に夏季祭がある。

境内社に、風天社、神明社、浅間社、稲荷社、八雲社がある。この五つの社殿には、それぞれ向拝に竜、木鼻に獅子、前柱に昇り竜と下がり竜が設えられている。

【ご利益】
交通安全、旅行安全、家内安全
足立神社 埼玉県さいたま市浦和区上木崎
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