大宅郷、春日大社創建の直後に初の末社として創祀、別称は「焼春日」
[住所]奈良県奈良市白毫寺町116
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宅春日神社(やけかすがじんじゃ)は、奈良県奈良市白毫寺町にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「春日神社(大和国・添上郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

高円山西北の麓、能登川の南、百毫寺集落の西方に鎮座する。

社伝によると、天児屋根命は神護景雲2年(768年)、河内国枚岡から大和国添上郡高円山麓に移座し、同年の11月9日に現在の春日大社の地に移った。

これが春日大社の創建であり、この中の高円山麓が当社の現在地であり、ここに春日大社創建直後、初めての末社として勧請されたという。

御祭神は天児屋根命・比売神。創祀以来春日大社禰宜家が奉仕して今日に至る。例祭は10月体育の日。

山の辺の道沿いの当地方はかつて大宅郷と称して、古代豪族の大宅氏が北大和を領していた際の要衝であった豊かな地域であったと伝わっている。

これが社名「宅」の由来である。別名は「焼春日」。雷火により焼失したためだという。

江戸時代中期の明和4年(1767年)に第1回目の造営があり、以降、20年に一度、造営が行われ、平成18年(2006年)で13回目となった。

境内に大山祇命を祀る山の神社がある。また、新しく石玉垣をめぐらせ、モチの御神木を中央に置く祓戸社が整備されている。

その他、松神社の古い社殿が保存され、「松大明神」「杉大明神」と刻まれた灯籠がある。

延宝3年(1675年)の『南都名所集』に、御田植祭に松・杉の葉を稲に代える由来が記されている。数多ある石灯籠の中では、万治2年(1659年)の四角円柱のものが最古。

白毫寺町の町有文書として、『宅春日神社八朔講講則』の文化3年(1806年)・弘化3年(1846年)・慶応2年(1866年)・1886年(明治19年)・1903年(同36年)のものが残っている。

式内社「春日神社」の論社は他に、春日大社本殿廻廊の西南隅に鎮座する榎本神社、山添村春日の春日神社がある。

【ご利益】
地域安全、家内安全、夫婦和合
宅春日神社 奈良県奈良市白毫寺町
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