湊川の堤、楠木正成ゆかりの松、「ジャパンビリケン」と関連授与品
[住所]兵庫県神戸市兵庫区東出町3-21-3
[電話]078-671-6444

松尾稲荷神社(まつおいなりじんじゃ)は、兵庫県神戸市兵庫区東出町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

創祀年代は不詳。もとは旧湊川の堤防上に鎮座していた。まさに南北朝時代の湊川の戦の古地。

延元3年(1336年)、楠木正成が湊川の戦いにおいて、湊川の西の堤に立つ松の大木を目印に一族郎党の集合を命じた。

その時に神仏の護符が戦による血で穢れるのを嫌い、松の側の稲荷の祠にそれを収めたといわれている。

この稲荷の祠が当社の前身であり、創祀は南北朝時代初期以前ということになる。正成の戦死を見届けた正成ゆかりの松にちなみ、現社号が定着した。

御祭神は、稲荷大明神で、宇賀御魂大神佐田彦大神大宮能売大神の総称。

現在の社殿は大正3年(1914年)に造営されたもの。民家や商店などが密集する下町の一角に鎮座している。

戦前までは新開地の近くにあることもあって、多くの商売人や劇場の役者、福原の遊郭で働く芸妓、カフェの従業員など水商売に就く人々などに信仰された。

また元町からも近く中国人なども多く訪れ、数多くの商店などの提灯が並んだと伝えられる。現在も約350個の提灯が並び、社殿の中の奥には多くの祠がある。

そのため、「提灯持ちのお稲荷さん」とも呼ばれ、本来の商売繁盛の御利益に加え、縁結び、恋愛成就の神としても信仰を集めている。

また、「松福さん」と呼ばれるアメリカ渡来の福神ビリケンが社殿の中の奥に松福社として祀られていることでも有名。

この像は大正初期に、元町の洋食店主がアメリカの水兵が持ち込んだものを参考にして木を彫って作り、店前に安置したもの。大正末期に当社に奉納された。

この像は木製で右手に打ち出の小槌、左手に宝珠の珠、米俵の上に腰を掛け、背中に大判を背負うという和洋折衷のビリケン像。

この大黒様と混じったようなスタイルは当時「ジャパンビリケン」と呼ばれた。

足を掻いてあげるとご利益があるとされ、招福に加え、病気治癒、学業向上などのご利益があると信仰されている。

そのほかにも現在の宮司により、世界各国のビリケン約100体余りが集められている。授与品にはビリケン坐像やビリケンストラップもある。

例祭は7月22日。7月21日から3日間にわたって、大祓釜鳴・茅ノ輪くぐり神事などが行われ、8月7日まで茅ノ輪が設置される。

2月初午日とその前後の日には五穀豊穣と産業繁栄を祈願する初午大祭が行われる。

【ご利益】
商売繁盛、縁結び、病気平癒、学業・受験合格(公式HP
松尾稲荷神社 兵庫県神戸市兵庫区東出町
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